葵と茜 2-1
茜の賃貸マンションの寝室。
茜とのセックスのあと、
薄暗いベッドの上で抱き合ってまどろんでいると、
気になっていた事が頭をもたげて来た。
「私が一緒に住んでる事、
お父さんに話しておいた方がいいんじゃないかな?」
『お父さん』の単語が出て、茜は顔を曇らせる。
「私が誰を好きになるか、私の勝手だもん」
「でも、女同士だし、将来的に…」
「もうっ!お父さんの話はしないで!」
彼女にソッポを向かれてしまったの図。
話題を変えた方がいいね。
向こうを向く茜の、甘い汗が薫る頭を吸い込む。
女の子のいい匂い。
「茜、職場で食事に誘われて困るって
言ってなかった?」
「うん…。最近は本当に困ってるんだ…」
茜は、以前にも増して職場でモテるようになった。
独り暮らしで切り詰めていた頃の、
痩せていたのが解消されて、
本来の健康的な美人になかったからだろう。
また私と付き合い出して、
性格が明るくなったせいもあるかもしれない。
茜が暗い顔をしていたのは、
何もお父さんだけが原因じゃない。
茜は小学生の頃から女の子らしい美人で、
まつわるトラブルが多かった。
洗濯物を盗られたり、
後を跟けられたりはしょっちゅうだった。
極め付けは中学の時の林間学校。
みんなでキャンプファイアー中。
バンガローに置いてあった荷物の中の、
茜の汚れ物袋だけ、パクられた。
同室の女子は何ともなくて、
美形の茜だけが狙われたらしい。
最終日の夜に、
二泊分の夏の登山で汗をかいた下着を盗まれた。
女の子の汗をタップリ含んだスポーツブラや、
思春期の過剰分泌物で汚れたショーツを盗まれた。
茜は、楽しい学校行事に水を差すのを恐れて、
他のクラスの私のところに一人来て、
傷付いて泣いていた。
私は、茜の一部が削ぎ取られたように思えて、
犯人に対して強い殺意を覚えた。
そんなこともあって、
茜は男という生き物を、まっったく信用していない。
食事に誘うなんて無駄もいいとこなのだ。
だからといって、
私とレズビアン行為に耽っているとは、夢思うまい。
私たちは、おっさん共の言う妙齢の年頃だ。
「事務所で、
冗談で言われるくらいなら何でもないけど、
二人きりの時に誘われるのは本当に困る…。
家庭のある人なのに…」
「茜は気立てがいいから、感違いしてんだな」
茜は怪訝な顔でこちらに向き直る。
「どうして?急にそんなこと」
「いや、
指輪でもしてたら、虫除けになるかなぁって」
「えっ!?ウソッ!」
茜の顔がパッと輝く。
手を開いて、薬指をかざして見せます。
茜の肛門に挿入した指に、
便がリング状にベッタリとこびりついている。
「茜、リング欲しい?」
「ヤダッ!絶対欲しい!」
茜は私の手を取って熱烈に薬指をねぶってから、
私にのしかかって
上機嫌にウンチキスをしてくれます。
「嬉しい!」
「ふふ。これこれ」
今日はそこまでしてくれると思って無かったから
超ラッキー。
茜は女の子らしい事で喜ぶなぁ。