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追憶のアネモネ
【その他 官能小説】

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我ら純情中学二年生-7

「キスはどんな味がしますか?処女膜ってどんなふうになっているんですか?」

そこまで言うと来栖美は視線をあげ、ノートを閉じた。

そして、彼氏はいないけれどキスの経験はあると明るく告白した。

達矢と豊の視線が来栖美の唇へと注がれる。

「つづきは理乃の部屋で教えてあげる」

そんなことを言ったか言わなかったか、彼女の唇の動きに意識を奪われていたのだけは確かにおぼえている。

気づいた時には達矢も豊も、そして四人の女子高校生たちまでもが一つの部屋に集っていた。

ほかでもない理乃の部屋である。

「連れてきたよ」

来栖美が達矢たちのことを紹介する。

彼らは指で編み物でもするように、わかりやすいくらいにもじもじしている。

これではチェリーボーイ丸出しではないか。

けれども理乃たちからしてみれば、そんな二人のことが可愛くて仕方がない。

さっそく何やら話し合い、女子四人によるじゃんけん大会がはじまった。

「何のじゃんけん?」

達矢がたずねると、四人が四人とも意味深な笑みをよこしてきた。

やがて決着がついたのか、負けた一人が達矢たちの前に名乗り出る。

「よろしくね」

じゃんけんの敗者は理乃だった。

「ちょっとしか見せてあげられないけど、いい?」

「な、何がですか?」

豊が訊き返すと、あたしのあそこを見せてあげる、と理乃は言った。

豊は目を丸くし、達矢は眉間にしわを寄せた。

よりによって姉ちゃんの体かよ、と達矢は少し残念な気分になったが、一方の豊はまだ信じられないといった様子で直立したまま動かない。

「言っておくけど、お母さんたちには絶対に内緒だからね」

姉はそう言って弟にくぎを刺した後、立ったまま自分のスカートの中に手を入れ、頬を赤らめながら下着を下ろしていった。

ごくり、と誰かが唾を飲み込む音が聞こえた。

理乃はパンチラ対策のために下着を二枚重ねで穿いており、その一枚一枚を時間差で足首まで下ろしていく。

すると理乃はポーチの中からナプキンを取り出し、それを豊に手渡した。

「それ、あたしがいつも着けてるやつだから」

「ええっ?」

豊は品物を受け取りながらしゃっくりのような声をあげた。

あたしからも、と来栖美も生理用品を出してきて、達矢の手に握らせた。

包装紙に包まれたそれはとても軽く、瞬く間に手の中で消えてなくなりそうだった。


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