蜜月は予鈴と共に-7
体が離れた時の喪失感を味わってしまうと、また抱かれたくなる。
しかも登坂はかなりの巨根の持ち主である。
ペンを使ってこちょこちょとオナニーするのとはわけが違った。
「あー、きょーとーせんせー、あー、いっちゃうー、いくー」
葉子は間延びした声でオーガズムに向かう。
「あああ、出すぞ、おら、おら、出すぞ……」
絶倫の登坂のほうにもそろそろ限界が近づいていた。
もちろん彼は葉子の中に出すつもりでいる。
お互いに果てる寸前まで何事かを訴えていたが、やがて声は尽き、重い一発一発を見舞ったのちに登坂は射精した。
それとほぼ同時に葉子もエクスタシーを極め、熱い精液を胎内に溜め込む。
妊娠しちゃうかもしれない──葉子の中の不安が大蛇のように渦巻いた。
前に排卵があった日がいつだったのか思い出せないでいる。
「君の口で綺麗にしなさい」
射精を終えたばかりの男性器を差し出す登坂。
それを葉子が口にふくむ。
萎んでいたはずの陰茎は瞬く間にむくむくと起き上がり、葉子の喉奥を突き破るほどの復活を果たす。
その変貌ぶりに葉子は感動すらした。
学校でのそれぞれのポストは違えど、登坂光雄も山岸葉子も今はただの男と女だった。
そうして凌辱の限りを尽くす教頭の腕の中で、美しい女性教師は何度も絶頂を味わった。
そんな熱も冷めやらぬ数日後、葉子はふたたび校長室に呼び出された。
またあんなふうにレイプされるのだろうかと心配しつつドアをくぐると、そこには人格者である校長の姿があった。
彼の右手にタブレット端末が見える。
「山岸先生、ちょっと君に確認したいことがある」
その台詞は、この小学校に在籍する全教職員から告げられているように葉子には聞こえた。
きっと、気が遠くなるほどの数をこなさなければならないだろう。
それはつまり、生涯をセックスに捧げることを意味していた。
なぜなら性教育は、今も昔も必須科目になっているのだから。
頭上でチャイムが鳴り響き、止んだところで葉子が言う。
「校長先生、私に至らないところがあれば、何でもおっしゃってください」