第16章 胎児の交換-2
第16章 胎児の交換(2)
やがて我慢の三十分が終わろうとしていた。
壁からテーブルの上に移された芳子は、透明なガラス製のボウルを跨いでしゃがまされた。
膨らんだお腹でボウルの位置がよく見えない。敏感な尖りが冷たいガラスの縁に触れた。
しゃがんだ姿勢での我慢はこれまでの三十分より辛い。
「お願いぃぃ……早く……ねぇ……我慢できないぃ」
小刻みに尻が上下する。それに合わせて伸びかけの陰毛がシャリシャリとボウルの淵を擦る。
「じゃぁ、阿部さん。これで……」
芳子を囲んだ男たちのひとりに所長が黒い物を手渡した。
「おい、伊東!……女を羽交い締めに!……この格好じゃ挿れられねぇ……」
出口を求めて暴れ回るものを我慢する女を無理矢理抱き起こす。曲がっていた膝が伸びる。黒々した縦長の陰裂が男たちの正面に出現した。
「ああっ……なにぃ……」
「ふふふ。尻だけじゃもの足りねぇだろう。……やっぱり快楽の原点はマンコってきまってんだよ」
阿部は所長から手渡された黒いバイブを女の溝にあてがった。
「やっぱり、アヌスマニアでしたねぇ……蜜が糸引いてる……ほらっ」
所長が蜜を指先で伸ばし、皆に見せた。
阿部が左手でVの字をつくり、秘裂を拡げる。ピンクの秘肉が盛り上がって蠢いている。
「お願い……出させてぇ……もう……」
脂汗を拭きだした顔が叫ぶ。身体がのたうって、伊東の腕の中で暴れている。
「まてまて。……今、快感が千倍にもなるぜ……おう、ほどよく濡れているぜ。これなら舐めなくても楽に入っていくぜ」
グプッ。
湿った大きな音と共にバイブが一瞬にして蜜壺の奥深くに収まった。
「スイッチ……オン!」
グジュグジュと淫蜜を飛び散らしながらバイブが振動し始めた。
阿部がバイブを抽送する。滑らかな動きだ。抽送に合わせて、振動音が規則的に変化する。ツンと女の匂いが立ちこめてきた。
「お願い……早く……もう、だめ……早くして……ああっ」
「はいはい。……早く動かせって……」
男たちが笑う。
「ちがう……ねっ……ねぇ……抜いて!……お尻のを抜いて!」
「おいおい、聞いたか?……前の方はそのままがいいんだそうだ」
男たちが大声で嘲笑する。
「じゃぁ。そろそろ……」
所長がアヌスストッパーに手をかけた。
「飛び散りますよ…ご注意を……」
男たちをグルッと見て、ようやくアナルストッパーが外した。
阿部と伊東以外が、一歩離れて芳子を取り囲んだ。
出し残っていた尿がバイブを伝って垂れ始めた。
「お願い……見ないでぇ……」
その言葉を言い終わらないうちに、ブビッという破裂音と共に茶褐色の濁った水が吹き出し、ボウルの底を打った。それは勢い余って四方八方に飛び散った。そして褐色の溜まりの中に様々な形の小さな塊が、とめどなくまき散らされて、あっという間にボウルの中身が一杯になっていった。
甘い女の匂いと入れ替わって、独特の排便臭が部屋に立ちこめた。
「それ……逝くんだ」
阿部が抽送を早めた。
排便がまだ続く中、ついに芳子の太腿に痙攣が起こり、女の到達を伝える低い声が部屋に響いた。
時折、肛門から発するブチッブチッという下品な放屁音と終わりを知らないバイブの抽送音が芳子の吐く荒い息づかいに混じって聞こえる。
恥ずかしい大騒ぎが終わり、男たちは早々に部屋から出ていった。
<第16章 胎児の交換(2)おわり この章つづく>