14.おっぱいペッタン-3
「うぅん、いい声だわあ。 もっと大きければ……よいしょっと……なお良し……ねっ」
ぺったん。
「ふぉまんふぉふぉっふぁい、ふぁんふぁいっ!!」
「もっともっとぉ、そぉれっ」
ぺったん。
「ふぉまんふぉふぉっふぁい、ふぁんふぁいっ!!」
「その調子よぉ〜〜、そぉ〜れぇっ!」
ぺたんっ。
「ふぉまんふぉふぉっふぁい、ふぁんふぁいっ!!」
女医が振りかぶり、振り下ろす。 朋美は伸びかけの黒髪を振り乱し、狂ったように悶え、叫ぶ。
「まだまだお乳でてないわよお、朋美さん」
杵で乳房を叩きつぶす女医は、目が爛々と輝いている。 杵を介して手に伝わってくる、たわあに実った乳肉の悲鳴、シコリにシコッた乳首の旋律。 女医は内心がゾクゾクするのを止められない。 普段押さえている嗜虐性が、あっという間に青地に染まる乳房を前に、ジワジワと鎌首をもたげていた。
一方で、餅とりに励むみさき。 妖しい倒錯が混じった雰囲気な女医と対照的に、唇を結んで真剣そのものだ。 万遍なく杵が乳房に落ちるように、また同じ場所が何度も叩かれ過ぎないように、直撃を受けた乳肉は石臼の脇へ寄せ、まだ無事な部分を中央に集める。 赤黒くなってしまった乳房の弱い部位は、おっぱいを折り畳んで衝撃を弱め、比較的丈夫な部位で包んで満たす。
ぺったん、ぐにゅん。
ぺったん、むぬっ。
ぺったん、ぬみゅん。
杵の圧力が乳肉を乳首へと押し込むように。 乳首と乳房の位置関係まで把握しながら、
ぺったん、ぐにゅん。
ぺったん、にゅぶっ。
ぺったん、もふん。
両手で打ちこまれた乳房を抱えては、ひっくり返し、揉みほぐした。
みさきが塗り込んでいる薬液は、消炎作用に加え、乳腺を活性化させる働きがあった。 性ホルモン、オキシトシンの代用も出来るスグレモノだ。 既にたゆまぬ搾乳によって肥大化した乳腺を成熟させるきっかけとして、また乳房の傷を抑えるために、ぬぷぬぷ、じゅぶじゅぶ、丁寧に塗布するうちに、朋美のおっぱいが熱を帯びてくる。 ぺったんこにされた痛みからくる熱ではなく、おっぱいの芯から湧いてくる泉だ。
おっぱい餅つきをはじめてから10数分――最初は絶叫していた朋美が、ガクリと崩れ落ちてから約5分――が経過したところで、つぷつぷと乳輪に細かい突起が浮かんできて、夢中で搗いていた女医も朋美の変化を察知した。 思ったより早かった……乳首の変化は吉兆だ。
女医はみさきに目配せする。 既に乳腺は分泌をはじめている。 あと一歩、あとほんの少し乳管が拡がってくれさえすれば目的達成だ。 みさきは牛の搾乳よろしく乳首を掴み、ぐにっ、おっぱいを石臼全体に薄く伸ばした。 既に朋美は息絶え絶えで、うわごとのように『おまんこおっぱい、ばんざい』と、声にならない声を零しているだけ。 そんな朋美のテカったおっぱいに、びゅんっ、これまでで一番大きく振りかぶった杵が落ちてくる。
ぺたんっ。
「ふぉまんふぉおっふぁい!! ふぁんふぁぁい!!」
思い出したように一声たかく朋美が鳴いた瞬間、
プッ、プシッ。
朋美のおっぱいをこねていたみさきの横顔を、2本の白い水鉄砲が叩いたではないか。 みさきが握った両のおっぱいの先端から放たれたのは、まぎれもない、朋美の乳首が放った暖かいお乳……杵と薬が朋美の最後の壁を開き、朋美の乳管が開いたのだ!
プシッ……ショロロロ……プシッ、プシッ、プシッ!
一度開いた乳管は止まらない。 みさきが握った腕に力を込めるたび、搾られた乳肉がギュムと縊れ、乳首からお乳がしとど溢れる。 最初はゆっくりで細いながれでも、みさきが捏ねるたびに勢いを増し、石臼を白いお乳が満たしてゆく。 かくて鬱血と痣で痛々しいおっぱいも、石臼いっぱいになるまでだしたお乳に沈んだ。 朋美のおっぱいはこの瞬間をもって、『射精』ならぬ『射乳』できるようになり、そして『乳管』が貫通した。 妊娠を経ずとも好きなだけお乳だせるようになり、大きな一歩を乗り越えた。
女医とみさきが力を合わせ、石臼から朋美を外す。 まだ朦朧としたまま熱が冷めやらぬ朋美ではあるが、やがて意識を取り戻したとき、自分の身体に現れた変化を知るだろう。 もう朋美のおっぱいは『大きいだけでだらしない、お乳がでないみっともないおっぱい』では決してない。 朋美のおっぱいは『大きくて下品な、揉まれただけでお乳を射精する節操のないおっぱい』だ。
「ふぉふぁんふぉ……おっふぁい……ふぁんふぁぁい……」
朋美は口を塞いだハミの奥で、教わった恥ずかしい掛け声を、素直に言われた通りに続けている。 おっぱいの先端からは、既にみさきが手を離したというのに、ジクジクとお乳が垂れていた。 なお、お乳が出たからといって朋美のおっぱい地獄の終わりかというと、そうではない。 あくまでお乳をだすことは最低限のノルマであり、朋美の目標は『おっぱい星人』になること――即ち、どんな要求にもおっぱいし、いかなる困難もおっぱいし、いつ、何時、どこであってもおっぱいすること。 おっぱいの星の下で生きる、おっぱいの下僕になることだ。
明日からは新たなおっぱい特訓が始まるだろう。 お乳の生産量、質、射乳の勢い、噴乳の高さ、鍛える項目は山ほどある。 乳搾りの姿勢や乳を出す際の礼儀など、学ぶ内容をいちいち数え上げればきりがない。 そういった細部まで一切学んでようやく、おっぱい星人の見習いだ。
朋美のおっぱい地獄、まだまだ始まったばかりである。