湯上り-7
しばらく 沈黙した部屋・・・
そのせいか 周りの声や音が気になる程度に聞こえる
微かに 色っぽいような声が 壁の向こうから・・・
「え?」
「・・・・だから 俺はテレビつけてたんだよ・・」
翔が 壁を軽く指さしながら言う
少し 恥ずかしくなってしまった
そんなに大きくは聞こえないが
耳を澄ますと 聞こえてしまう・・・
「おっと!話を忘れるところだった!彩香・・・翔を 好きになったことあるのか?」
彩香は 少し慌てて でも 数秒で おとなしくなった
「ごめんね・・・部活してる背中見て かっこいい と思ったの」
「わ・・・気付かなかったよ 告白してくれたらよかったのに」
「するわけないじゃん!一瞬だけだもん」
彩香が 恥ずかしそうに それと 俺に申し訳なさそうにしている
「じゃあ、もしかして キス も そのころ?」
俺は 恐る恐る聞いてしまった
「ううん、それは 小学生の時・・・・」
彩香は 翔をチラチラと見ながら答える
「翔が 喧嘩か何かに負けて しょげてたのよ それで 慰めるつもりで」
「・・・・・その 一回だけ?」
「うん・・・・本当にそのときだけ」
彩香は 少し身体を丸めながら 囁くように答えた・・・
俺は なんでそういったのかわからないけど
言ってしまった
「そのファーストキス 今 見せてよ」