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菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )
【ロリ 官能小説】

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帰国-1

「毎日三回は出したから、もう三百六十回いったと思うけど。」
「別に、それでやめなくてもいいよ。全部ちょうだい。」
「すごく疲れるんだぞ。フレデリーケは寝てるだけだけど。」
「嘘。三回目はあたしが口でしてるじゃない。ほら、貸して。」
「出すだけで疲れるんだって。女には分からないだろうけど。」
「あたしを食べたら良くなるとか言ってるくせに。」
寝ている僕の胸に跨っていたフレデリーケは、尻を僕の顔に乗せてきた。
「おりものが止まらない。おなかが痛い。おっぱいも硬くなって痛い。吸い出してよ。」
あれ以来、フレデリーケの体は一気に女へと変わっていった。その変化に、心を含めた全体のバランスが付いていけないでいた。行為に溺れているのはフレデリーケのほうだった。
僕から吸い尽くしてしまっても不満な様子で
「ああ、体がいらいらする! ティグレーニョ、なんとか言ってよ!」
猫はそっぽを向いた。
フレデリーケは、利き手の左を溝に入れ、こすり始めた。僕の耳元だ。やめろよと言ったが
「うるさい! 自分でするしかないじゃないの。」
僕は、日本語で考えるのが面倒になっていた。まさか母国語を忘れるなんて、日本にいるときは想像したこともなかった。読み書きも、エスペラントのほうが今は楽だ。それなのに、明後日には帰国するのだ。
「あさって帰るんだぞ。」
「知ってる。あたしの体はどうなるの?」
手を止めずにフレデリーケが言った。もう終わりそうな表情だった。
「心はなんとも感じないのか?」
僕は腰を引き寄せ、口でしてやった。フレデリーケは僕の頭を両手で押さえ
「あ!」
首を仰け反らせたあと、ばたりと倒れた。僕の鼻先でまだそこは動いていた。その動きが収まってから、落ち着いてフレデリーケが言った。
「この頃ね、言葉が聞こえないの。」
「猫か。」
「木も、雨も、風も。星は音楽が鳴ってたもん。今は聞こえない。それから、眠るとなんにも分からなくなっちゃった。」
「あのさ、ビクトルにしても、お婆さんにしても、君のうち、変わってるよね。まあ、ビクトルは天然か。」
「昔の魔女なんだって。あたしが知らないこと、たくさんあるみたい。」
「ふーん、歴史はよく知らないけど、いたんだね、そういう人が。お父さんはどうしてるの?」
「オーストリアにいるけど、ずっと会ってない。顔、忘れちゃうよ。お兄ちゃんは日本だし、一人でお仕事がすごく大変みたい。何してるか知らないんだけど。」
「お母さんは?」
「小さいときに死んじゃった。オーストリアの人で、学校の先生だったって。」
「ごめん、聞いて。」
「いいの。うち、ばらばらだよね。あたし、みんなが一緒に暮らせるようにしたいな。あたしがそう出来たらいいな。」
その時、僕の耳元にある少女の溝から、赤い血が流れ出た。
「フレデリーケ、血だ。あれだ。」
起きて股を覗いたフレデリーケは、立ち上がり、大急ぎで服を着ると
「お婆ちゃん!」
部屋を飛び出していった。ティグレーニョも、追いかけるように付いて出て行った。


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