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菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )
【ロリ 官能小説】

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ラサとビクトル-1

仕事を終えた夕方、ラサは誠とよく話すバーンにビクトルと座っていた。
「ビクトル、あなたの夢は何?」
「夢なんかないよ。」
「変な人。」
「夢なんかつまらない。あるのは、使命かな。」
「時代錯誤ね。昔の共産党とか、宗教とか、軍国主義みたいな響きを感じるわ。あなたの国は経験ないんだっけ。」
「ラサ、偉大なものを君は知らない。個人の夢なんかなんになる? 偉大なものの意思を遂行することを選ぶ。それが価値だよ。それも、義務じゃなくて自由に。その責任が、使命。」
「で、使命はなんなの?」
「まだ分からない。」
「一生わからないんじゃないの? 抽象的なことしか考えないで世の中が分かったような顔してる人、嫌い。あなた童貞でしょ。」
「当然だ。」
「なに威張ってるのよ。現実に下りてきなさい。世の中には女ってものがいるのよ。男の使命を遂行させてあげようか。ほら、ここ触って。あ、逃げるな!」

イーラに並行して、ドンブロフスキーの妻も回復に向かい、退院してきた。長い鬱の後でやつれてはいたが、快活さを取り戻しつつあり、リハビリのためにも畑で働きたいと意欲を示していた。
妻のヨガリエが良くなれば、ラサは必ずしもここに居なくてよい話である。まだ先のことではあったけれども、身の振り方をラサは考えていた。
誠の子を身籠って国籍を取る案も、本気で候補に入れた。農場の男たちは大体が妻子持ちだ。ここを出て、別の男と同じことをしようか。それなら本当に結婚したほうがいい。
ビクトルをときどきからかってみているが、乗ってこない。オーストリアは知らない土地だ。
国に帰る気はとにかくないのだった。ラサは孤独な淋しさを感じていた。一人で下着を汚す晩がこのごろ随分と増えていた。


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