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菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )
【ロリ 官能小説】

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窺い知れぬ未来-3

日課が変わった。
朝、僕が来ると、イーラはランニングに出かける。もちろん僕もついていく。戻ったら一緒にシャワーを浴びる。または入浴。それから朝食を取る。
午前中は勉強、そして昼食のあと、また体を動かす。次に昼寝だ。
ドンブロフスキーさんの驚きと喜びようは、当然、大変なものだった。僕が何かした訳でイーラがここまで回復したとは言えない筈なのに、僕に対してドンブロフスキーさんは権威のようなものをすら感じているように見えた。何か細かいことを提案しても、誠くんが言うならと、すぐ取り上げてくれた。イーラとの関係も、今なら受け入れられるのかもしれなかったが、さすがにそんな度胸はなく、それが僕をある意味、謙虚にさせていた。
元来、イーラは体を動かすのが好きだったそうだ。ここへ来る前、器械体操を習っていたこともあったのだという。体を動かせない辛さは、どれほどだったろうか。これまでの分を取り返すかのように、イーラは運動に熱中した。
僕は反対に、運動など好きでなかったのだが、イーラに付き合いがてら、自分のトレーニングもするようになっていった。
「中の、こんな硬さだったんだ。」
シャワーを浴びているとき、イーラが指先で確かめながら嬉しそうに言った。目の前に立って向かい合っているのが、僕には嘘のようだった。
「夢じゃないよね。」
「僕で確かめたら?」
聞いてイーラは、強く握ってみせた。唸って膝をついた僕の頭を抱きしめ
「あたしにも、してみて。ここ。」
胸のしこりを抓ってみたら、一声、悲鳴が風呂場に響いた。僕たちは抱き合い、笑い合った。
食事もトイレもイーラは一人でするようになった。
「なんだか淋しいな。」
「いつでも見ていいよ。」
鏡に向かって髪を梳かしながらイーラは答えた。
「きちんと服着てると、好きなときに見れないし。」
「あたしはこれからおしゃれもしたいの。」
体が完全に良くなったら、学校へ通うのがいいだろうと僕は客観的に思った。イーラには友達がいるべきだ。
僕のいる意味もなくなる。また農場勤務に戻るのか、それとも、いっそここを離れて新しいことに取り掛かろうか。
未来の設計を現実世界はさせてくれない。起こる出来事に僕は対応するばかりだ。
「今ちょっとしようよ。」
イーラの体に慰めてもらいたくなって、急に頼むと
「いま? せっかく着替えたのに。」
しかしイーラはベッドに自分で上がり、下を脱いで広げて見せた。
「これ、分かる?」
白いものが一面に付いていた。少しずつ出てくるらしい。
「僕のじゃないよね?」
「まさか。いつのよ? おりものって言うんでしょ? 多分、あたし、もうじき生理だよ。そうしたら、赤ちゃんできちゃうんじゃない?」
自分の指で掻き出し、僕の鼻先に突きつけた。
「嗅いでみて。」
僕はその指を、それから、出てきたところをゆっくりと舌で拭き取った。イーラからうっとりと力が抜けた。
「本当だ。味が重い感じ。だけど、まだ、いいんでしょ?」
僕はズボンも脱がず、チャックから出しただけで入り込んだ。力を惜しむことなく動いて突いた。
「誠さんが来ると、あたし、何にも分からなくなる!」
たちまち、前と変わらぬ快感の激しい痙攣が全身に起こり、イーラはベッドを何度も汚した。


「じゃあ、二週間行ってきます。」
そう言って、僕はイーラと農場を後にした。
上を向けば紺色に見えるほど空の青が深い。ぬるい風に乗って草のにおいのする一本道をバス停まで歩く。辺り一面、聞こえているのを忘れるくらい大声で蝉が鳴いている。日本の夏だった。太陽の光ががっちりと肌に重く明るい。
一年以上、農場を離れなかったので、僕は体を切り離されたような、妙な解放感を感じていた。外国人ばかりと付き合っていたせいで、外国から日本へ帰るような気がしないでもない。
そして僕の隣には、緑の目の、金髪の少女が手をつないで歩いている。世界の誰よりもこの子のことを僕は知っている。僕が一番知っている人間はイーラだ。イーラのことを一番知っている人間も僕だ。世の中はおかしなものだと思った。
「誠さん、おしっこ。」
「えっ? さっき行ったばかりじゃないか。」
「って言ったらどうする? なんて、自分でいけるもん。」
駅に向かうバスに僕たちは乗った。


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