女の影-4
彼女が去っていくとすぐにゆかりが小声で言った。
「感じ悪―い!なんかずっと葵の事見てなかった?」
「まぁまぁ。あの人は久しぶりに葵に会えてうれしかったんじゃねぇの?」
「でもなんか気にくわない・・・。」
「それより俺腹減った〜!」
豹介はさすが葵の親友とだけあって、葵の触れられたくない事には敏感で、
すぐに話題を変えた。
「もうすぐ球技大会だけど、お前らのクラスには負けないからな!葵!!
でさ、俺と勝負しようぜー。」
「勝負って・・・?俺がお前に勝てるわけないだろ?」
「んなことねぇよ。お前、体育の成績もいいじゃん。」
「葵は勉強も出来るし、スポーツも出来るもんね。」
「だろ?どっちがスリーポイント多く決められるか勝負だ。
負けた方が学食1週間おごるのはどうだ?」
「じゃあ私が数えるね。」
「ちょっと待てよ、俺まだやるなんて言ってない。」
「負けるの怖いのか〜?」
「そんなことないけど・・・。」
「じゃあ決まりだね〜!二人とも頑張って!!」