初めての彼女?-3
葵が奈々子の向かいの席に座ると、再び先ほど聞こえていた声が聞こえてくる。
「あの人カノジョなのかなぁ?」
「まさかぁ、ありえないって。あの人すんごい年上じゃない?
うちらよりも年いってるって!」
「歳離れたお姉ちゃんとかじゃないの〜?それかバイト先の上司とか?」
「だよねぇ、彼女だったらひくって!」
奈々子はぎゅっと両手を握りしめて俯いてしまう。
やっぱり周りから見たら、高校生の男の子と自分が恋人同士だなんて
思われないよね・・・。わかってはいるけど、はっきり言われるとショックだな。
と思ってしまう。
葵は彼女たちの話が聞こえていなかったようで、心配そうに奈々子を見た。
「奈々子さん、どうしたの?疲れてるのに会いたいなんて言ってごめんね。」
「ううん、何でもないの!私も葵君に会いたかったから謝らないで!
それより何か頼もうよ!あ、ケーキ食べようか?」
奈々子は他人に言われた言葉を振り払うように、
葵に笑顔で話しかけながらメニューを開いた。
葵もその笑顔に安心したようで、メニュー表に目を落とした。