後編-3
その後、私と智美は親しくなった。
遊びに行くとFender Rhodesを弾いてくれて、楽しみになった。
検索すると、意外と聴いたことある曲に使われていて、
リクエストすると智美は上手に演奏した。
こうしてお父さんと楽しく過ごしたんだろうな。
ある日、連弾用ピアノ椅子に一緒に座って演奏を聴いている時、智美にキスをされた。
そんなに意外な気がしなくて、落ち着いて受け入れることが出来た。
智美は演奏の手を止めて寄りかかり、私の肩に頭をもたげてくる。
「ずっと、私の弾くの聴いてくれる?」
「いいよ」
「ずっとって、ずうっとって意味よ?」
「うん。智美とは気が合うし、一緒に居て楽しいもん」
智美は私に抱き付きます。
「ありがとう!京ちゃん、私のこと一番分かってくれる。京ちゃんのこと大好き!」
「実は…。音楽室のピアノの角っちょに、手を置いちゃったんだよね…」
「!!!」
智美は慌てて体を離します。
「いや、正直気持ち悪いとかは全然無かった。何でだろうね?」
智美はまたFender Rhodesに向かい、演奏を再開する。
赤い顔で嬉しそうに。
音が上機嫌だ。
「そういうこと言ってると、京ちゃんでしちゃうよ?」
「えっ…?ええっ⁉」
エンディング
You Tube
『Ino Hidefumi - Love Theme From Spartacus』
https://www.youtube.com/watch?v=IIW2L8mnGHY
終わり