物語の感想-1
「読んだよ。星の王子さま。」
「ぁ、本当?」
次の日の火曜日、夕食後に
2人はソファーに座り話している。
ちづるが言う。
「どうだった?
共感出来た?」
「出来た。」
「ぇーー? そっかー。
いいなー。
好きな話なのになぁ〜。」
「共感は出来たけど、、」
「 ?」
「俺はそんなに、、。
好きじゃないかな。」
「へーー、、そっか。
やっぱり
女の子向けのお話なのかもね。」
「、 、 、、、。」
そういう事じゃ
ないんだけどね
タクミは、
星の王子さまを立ち読みして思った。
王子さまの、
バラの花に対する思いは
自分がちづるに対する思いと
同じようなものだと感じた。
それが、嫌だった。
嫌な理由は、
ちづる自身がこの話を
『共感出来ない』と、
言っていたからだ。
ちづるが少し上を向き、
考えをまとめながら言う。
「、、、私は共感出来ないけど、
お話は好き。
タクミ君は共感出来るけど、
お話は好きじゃない。
なんか、、
うまくいかないもんだねー。
ふふっ 」
「やっぱりちづちゃんは、
お子ちゃまなんだよ。」
「ぇーー? なんで?」
「超単純な話じゃん。あれ。」
「そうかなー。
難しいよ。」
「それが、お子ちゃまなの。」
「違うよ。
タクミ君が頭いいからだよ。
高校もレベルが私とは、、」
「そーゆー事じゃないよ。
頭の良さとかじゃないから。」
「うーーん、そっかなーー。」
「、、、。
いつか、ちゃんと
理解して共感してよね。」
「ぇ? 」
「じゃないと、寂しいじゃん。」
「 ? 、、うん。」
?
本を紹介したのが私だから
一緒に共感したい
って事かな
「、 、 、 、、、。」
この顔は
分かってない
なんか 本当、、、
あのバラは
っつーか、
女っていうのは ある程度
男にうるさく言うものじゃ
ないのか ?
うるさく言うのは
自分への執着の証拠って
思うのに
それが ないって事は
、 、 、、、。
あ、。
やめよ
これ以上考えたら
へこむ 。