週末-3
タクミは話の中盤から、
ポケットからスマホを取り出し
テーブルの下で画面を見ていた。
タクミが言う。
「友達と、遊んでくるー。」
「まだ終わってないんだけど。」
「じゃー、、あと10分で
終わらせて?
食い終わったら出るから。」
「、、〜っ、
私がその女に電話するのを
止めてきたの!
どー思う?
私より、、
そっちのが大事なんだよ、、!」
「、 、 、、。」
5分て言えば良かった
「ねぇ、〜っ
どー思うか聞いてんだけど。」
「んーー?
まぁ、、うん。
友情なんでしょ?
ならいいじゃん。」
「良くない。
アンタ、私の話聞いてたの!?」
「じゃー、、、
別れるしかなくない?」
「なんでよ!? 」
「だって、あっちの友情が辛いなら。
それっきゃないじゃん。」
「〜っ、
違う、誠意が見えないって話なの!」
「ぇーー?
友情切るのが誠意なの?」
「〜っ、アンタはまだガキだから
恋愛の本質が、、
女の気持ちが分かってないんだよ!」
「、、、。」
ガキはお前だ
「私の事、馬鹿にしてる、、。
年下のくせに。
、、ってゆーか
年下だからいい気になってる
所あると思うし。
それだけで私のが、、
不利なんだからさぁ。
そういう所、、なんで、
気を使えないんだろうって
思っちゃうし。」
「年上?
おま、、 マリちゃんが?」
「そうだよ。」
「いくつ離れてんの?」
「え?」
「その男とお前。」
「、、、引くから言わない。」
「、、もしかして10コ以上?」
「、〜っ、そんなに離れてない!
6コ。」
「、 、 、、なんだ。」
「なによ。」
「たいして離れてないじゃん。」
「はぁ!?
離れてるよ!
はぁ、、。 不利だわ。」
「不利?」
「そー。 不利。
数年経ったら浮気とかされるのよね、
きっと。
女は若い方がいいに
決まってんだから。」
「なんでだよ。」
「っ はーーー、、本当、
分かってないね。
そーゆーもんなの!」
「そんなの人によるし。
年なんて関係ない。」
「、、本当、分かってない。
ガキだわ。
やっぱりアンタはまだ。」
「分かってねーのはお前だろ。」
「ぁあ!!? 」
「、 、、あ、いや、、。 」
声 低っ !
オカマか お前は
「、、不利なもんは、
不利なんだってば!」
「、、、。
そーですか。」
「、、〜っ、、 、。
10分経った。
行っていーよ、、。」
「、 、 、、。」
タクミは小さくため息をつくと
不機嫌そうに立ち上がり、
プラスチックの空の容器を
流しにさげると呟く。
「そっちのも流しに置いといて。」
「、、分かった。」
「、、仲直り出来るといいね。」
「もー別れるし。」
「、、ふっ、、 あっそ。
まぁ、ご勝手にー。」
「、、、。
あ、ねぇ。
ゆかちゃん元気?
最近来てないの?」
「、 、 、、別れた。」
「え、そーなの?
あ、こないだ会った
美人な人が今の彼女?」
「、 、 、、。」
「って。
んな訳ないか。
アンタより結構年上だったもんね。」
「、 、 、、。」
「年上はやめときなね。
相手が可哀想だから。
まぁ、1つや2つ、
くらいならいいけど。」
「、、行ってくる。」
「 っ はーーー。
あ、ねぇ!
私こっちにいると思うから
帰りにタバコ買ってきて。」
「あ? 無理。」
「なんで?」
「年齢。
確認されるようになったじゃん。」
「ぁーー。」
「行ってくる。」
「 ん、。」
母親はタクミの方を見ずに、
自分のバッグからスマホを取りだし
画面を見ている。
タクミが出ていく直前まで
ため息をついて、ブツブツと
独り言を言っていた。