第7章 発泡浣腸の恐怖-1
第7章 発泡浣腸の恐怖(1)
美弥は、木馬から降ろされるところまでは、場面ごとの記憶として残っていたが、再び気が遠くなっていったらしい。
次に気がついたのは、先ほどまで百合絵がのっていた婦人科の内診用の診察台の上だった。
もちろん、両手足はベルトでしっかり括られて、動くことは出来なかった。木馬の痛みはまだ残っていて、ズキズキと痛んでいた。秘唇は赤紫色に腫れたまま、乳首や小陰唇も出血の跡がかさぶたになって腫れていた。
「目が覚めたようね。今から腸の中の大掃除を始めるわ。……つらいわよ。お尻の穴が最後まで保つかしらね?……ふふふ」
マヤが妖しい笑いを残して準備にかかった。
「ユキ!浣腸液の準備はできているの?」
マッサージャーのユキが明るく返事した。ユキはかわいい顔立ちで、スタイルも抜群だった。身体の線が綺麗に浮き出た淡いブルーの診療衣を着てテキパキ動いている。マヤがその動きを満足そうな目で見ている。
ビアンではないと新藤の前で言い切ったマヤだが、全くの嘘だった。
このユキには、どこか惹かれるところがあって、これまでにもマヤの夜の愛玩になるときが何度かあった。
「はい。おっしゃられていた本数に予備を追加して合計40本あります。……これで充分でしょうか?」
気持ちの良い応えだった。頭も切れるし、良く気がつくところも気に入っていた。
「いいわね。……じゃぁ、早速始めましょう」
そのときだった。突然ドアが開き、大柄な男が部屋に入ってきた。
マヤに近づいて、ハスキーな声で話しかけた。
「マヤ!頼みがあるんだ。実は本社からお偉いさん達がお見えになってるんだ。……明日の晩だが、いつものように接待があってな。ひとつ頼まれてくれよ。……適当なモノを見繕っておいてくれないか」
「そんなこと、急に言われても。……先日の春子は、あれがきっかけで流産しちゃって、今使えないわ。……あと、百合絵は出産までは、まだまだで、……ようやく安定期に入ったばかりだし……今のこの時期、……妊婦はいないわ。無理よ」
男はユキの方を見た。診療衣の下の裸を想像している卑猥な目つきだった。
ユキは身体をすくめた。
「ユキはだめよ」
マヤがキッとした目で男をにらんだ。
「ちぇっ」
男は舌打ちして、診察台の美弥の方に目が向いた。
「こいつは?」
「これは、例の秘密を盗んだ張本人で、今から発泡浣腸にかけて、写しとったフィルムの在処を調べるところよ」
「そいつは好都合だ。明日の晩、こいつを使おう。……なぁ、いいだろ!……今回のお偉いさんには、スカトロ趣味もあると言ってたしな。ちょうどいいじゃねぇか。なんとか都合しろよ」
「でも、フィルムがまだ見つからないし……今回は、サキさんに頼めば……」
「もう、サキに頼んだけれども、キッパリ断られたよ」
「そう。……でもね。この娘、さっきまで馬に乗っていたんで、女の部分は酷い状態よ。醜く腫れているわ。……見世物にならないわ」
男は美弥の腹を叩きながら考えているようだった。
「……おいっ。バリウムショーはどうだ。これならいいだろ。……マンコはともかく、尻と口が使えるし……ちょうどいいじゃねえか」
「ええっ?バリウムショー?……しばらくやってないけど、バリウムの準備だけでなんとかなるけれど……」
「おう、それでいこう。……もし、この女が駄目となりゃ……それに、今日中にフィルムが見つからなければ、……最悪、おまえが……」
「わかっているわよ.……考えておくけど、あてにしないで!」
最後まで言い切らないうちに男は急いで部屋を飛び出していった。
<第7章 発泡浣腸の恐怖(1) 終わり この章、つづく>