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憂鬱なお姫様
【その他 官能小説】

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波乱-1

ティアラがデニス王子に通された部屋に着くと、

そこには国王と思われる初老の男が一人だけ豪勢な椅子に腰を掛けて

ワインを飲んでいた。


広い部屋を見渡しても彼しかこの部屋にはいないようだ。

ドミニク王子の姿が見えないので、ティアラはほっと息をつく。


(よかった・・・あの王子にはもう会いたくないよ・・・)


ドミニク王子に彼が自分の父親であると小声で言われた。


国王はティアラの姿を見つけると、椅子から立ち上がった。


「そなたがティアラか!」


「はい、初めまして。ティアラと申します。」


「息子のドミニクが大変失礼なことをした。

そなたの国の王や王妃にも申し訳ないと思っている!

すまなかったな。

舞踏会を開いて欲しいなんて勝手に書状を出したのも、後から知ったのだ。」


まさか国王から謝られるとは思わなかったティアラは恐縮する。


「い、いえっ・・・!」


緊張でうまくしゃべれない。本当にこの人はあの変態王子の父親なんだろうか?

デニス王子もまともなのに・・・。とティアラは思った。


どもりながら返事をしたティアラを気遣いながらも国王は続ける。


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