第5章 木馬責め-5
第5章 木馬責め(5)
木馬の背は、緩やかな弓形に凹んでいた。マヤは弓形の窪みに塩をたっぷりと盛り上げた。それは、本来ある樫の木の薄い黄土色でできた凹凸が見えなくなるほどだった。
やがて、美弥の身体は少しずつ木馬の上に降ろされていった。マヤが近づき、両足首を掴み、左右に拡げ、木馬を跨ぐ姿に整えた。その姿を保ったまま美弥は沈んでいく。乳房で吊られたまま、チェーンが擦れる音を立ててゆっくり揺れている。両足の踵が木馬に貼られたレザーの上を滑りながら降りてきた。
あともう二十センチという高さにまでなったところで身体が止まった。
マヤは太股の隙間から、秘裂に手を入れ、花弁がしっかり木馬の背を挟むようにと、絡まっている左右の花弁を女裂から引き出そうとしていた。
「この女。ずいぶん毛深いね。……これじゃよく見えないわ。ラビアを引き出そうにも邪魔だわ。……新藤!ラビアの外側に生えている毛を毟っておしまい」
「はっ」
男はリモコンから手を離し、美弥の股間に近より手を伸ばして秘唇の外側を囲んでいる陰毛を掴んだ。陰毛は汗と自身の潮で滑って肌にへばりついていた。
男は何本かを掻き剥がし、指先に巻き付け、ゆっくりと引き抜いた。
「いぎぃぃっ……」
ブツブツッ、ブチッという連続した音とともに、指先に抜けた縮れた陰毛がからみついていた。
この作業を何回か繰り返すうちに、美弥の秘唇の周囲はまばらになってきた。抜けた毛穴から血が滲んでいる。
床には抜けた短長さまざまな長さの恥毛が散っていた。
マヤは再び美弥の股間に手を入れた
「さあ、マンコの肉に刺激が確実に伝わるように、おまえのラビアも拡げてあげようかね。……新藤!」
「はっ」
「ガンタッカーを持っといで!」
美弥の小陰唇を秘裂から強引に引き伸ばした。
「タッカーに一番足の短い針を充填して!」
男はホチキスの針のような連続した針を装填した。
「ちょっと足に響くかもよ。……でも、オッパイが痛いからあまり感じないかもね」
マヤは左の小陰唇を伸ばした。
「新藤!押さえていて」
伸ばした小陰唇を太股の付け根で押さえた。マヤは慎重にガンタッカーを手にして小陰唇の上に置いた。
そして、ゆっくりとトリガーを引いた。
ズブッ。
「あうっ……」
鈍い音がして小陰唇が太股に固定された。
反対側にも同じ事をした。
「痛い……いつつっ……ううっ」
太腿に沿って、茶褐色の小陰唇がピンと引き伸ばされて留められた。針の隙間から血が滲んで太股に伝わっている。女裂の内側のピンク色の秘肉が膨らんで盛り上がっていた。
「これで、準備ができわね」
そして、リモコンのボタンを押すと、チェーンが滑り、今度は一瞬にして木馬の背の上に落とされたのだ。
グツッ!
肉を打つ鈍い音が響いた。木馬が軋んでいる。
「ギャーッ」
僅かな間をおいて、すごい悲鳴が部屋に響きわたった。木馬の狭い背板の凹凸が美弥の女裂を直撃したのだ。凹凸はアナル、膣口、尿道口、クリトリスといった柔らかで敏感な女の痛点のいくつかを狙うようにできていた。美弥の場合は、クリトリスとアナルと膣口の間にある、いわゆる蟻の門渡り部分の二カ所に突き刺さっていた。
男は股間を打たれると息ができないほど悶絶するが、女とて似たようなものである。痛くて動けなくなる。
木馬の上の美弥の顔は苦痛に耐え、歪んでいた。唇が戦慄いている。ズキンッとした鋭い痛みが、陰裂から子宮に抜け、脳天まで響いた。
木馬から落ちないように乳房に引っかけていたフックはまだ付いていた。
瞬間的な直撃の痛みは、しだいに股間からの鈍い痛みに変わっていった。
自分の体重を支える、ズキズキとした股間の痛みは、しだいに両腿にまで痺れるように広がっていった。
身体をくねらせ、股間の痛みにのたうっていた。
美弥が痛みを少しでも分散させようと、手錠に繋がれた不自由な両手を使って馬の背で身体を前後左右に揺すっているのだろうか。股間からジャリジャリと塩がこすれる音がしてくる。塩は角が尖った立方体の結晶でできているので、美弥がずり動くたびに女裂の間の秘肉に食い込んでいった。股間はまるで目の粗いサンドペーパーで擦られているようなものだった。
「うげっ。……つつっぅぅぅ……」
吊られていた乳房の痛みは忘れられ、完全に股間の痛みひとつに変わっていた。
痛みを和らげようと、身体が揺らすたびにギシギシと木馬が音を立てる。美弥はすごい形相で耐えていた。上の前歯で下唇をかみしめている。
両腿で木馬を挟んで股間を浮かせようと努力するも、両腿の開いた角度とつややかな側面に貼られたレザーの効果で意のままにならなかった。
「ああっ。……痛い……」
<第5章 木馬責め(5)終わり この章はつづく>