第3章 待ち人来たらず-3
第3章 待ち人来たらず(3)
キシューッ
女性特有の放尿音と共に、勢いを増しながら太い銀線が女裂の中央からほとばしった。ガラスのボウルの底に黄金色の液が渦を巻きながら溜まり始めた。女性の甘い尿臭が強く立ちこめてきた。
「ほら、二人とも見えるかい。……排尿時にはこんなにも尿道口が広がるんだよ」
美弥の放尿が始まると同時に、悦子は美弥の股間に近づいて、左手を伸ばし、Vの字にした指で女裂を左右に大きく開いた。悦子の右手は美弥の右手の人差し指を掴んでいた。そして、吹き出している尿道口に人差し指の先をねじ入れたのだ。
「やんっ……」
あわてて美弥が尻を跳ね上げた。
「どう?……ここが自分の尿道口だよ。わかったね?……えっ?」
「……はい……」
尿道口には美弥の人差し指の先が少し入ったままだが、出始めた尿は止まらなかった。それどころか、腰をくねらせた為に、四方八方に飛び散って、覗き込んでいた友子と健二は、たっぷりと美弥の飛沫を顔に浴びてしまった。
「見てる方も散々な目にあったわね。ふふふ……」
マヤはタオルで指や腕を拭いながら二人を見て笑った。
やがて勢いが弱くなり、滴が女裂を伝わり尻からポタポタと垂れた。飛沫いた尿で、机の上はびしょ濡れになってしまった。
排尿後、アプリケータを入れるのが一苦労だった。太いので尿道口に入っても、なかなか奥にまで進まなかった。
何度も鏡を見ながら、奥まで入れようと思っても、突き立てているだけのようで、ちっとも奥に進んでいかなかった。
「ああっ……もうっ……」
美弥の焦りが声にまで出ていた。
「角度が悪いんだよ、角度が。……アプリケータの先を尿道口に入れたら、……一度お尻の方に倒して、それからグンと押して奥へ進めるんだよ。……麻酔効果のあるキシロカインのゼリーが塗ってあるから、さして痛くないはずよ。さぁ、思いっきり押し込んでごらん」
友子と健二も手伝った。鏡を見ながらアプリケータを操作する美弥のために、友子はアプリケータを支え、健二は閉じそうになる女裂を両手で開いてやった。
そのため、健二の両手の指先は、美弥のおしっこと沁み出た滑る愛液で光っていた。
苦労の末、ようやくアプリケータが膀胱に達っしたようで、三人の歓声が上がった。
アプリケータの先からたらたらとおしっこが垂れてきた。そしてついにカプセルを入れることが出来たのである。
「さあ、一人で出来るようになるまで練習だよ。……カプセルはたくさんあるからね」
二時間後、美弥は足下に大きな水たまり作っていた。
カプセル挿入はなんとか自力でできるようになっていた。美弥の膀胱内には既に十個ちかくのカプセルが詰まっていた。
そのカプセルを取り出すためには、膀胱用のファイバースコープを使わなければならなかった。アプリケータより太い中指くらいの太さのあるスコープを入れて、鉗子でひとつひとつ掴かみ出すのだったが、これも美弥にとっては苦行だった。
「痛い。裂けちゃいます。……痛っ……痛ぁい」
美弥の叫び声が悦子の頭に思い出されていた。
(カプセルについては大丈夫だわ)
そう思いながら悦子はいつでも取り出せるように、スコープにキシロカイン入りの潤滑ゼリーを塗った。
時計は十時を回っていた。悦子は不安になっていた。
外気温はすでに三十度近くになっていた。遠くで蝉の声がする。
(まさか、本当に捕まったのでは。……でも、捕まっても絶対にフィルムは発見されないわ。……それに美弥は少々のことでは音を上げないもの……)
<第3章 待ち人来たらず 終わり>
(つづく)