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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 情報その8 〜-4

『間違えちゃったんだね。 まあ最初から成功するわけないし、しょうがないよ。 クリトリスにペナルティがあったから、今のが間違ったことは22番も分かったでしょ。 一応セオリーみたいなものを教えとくと、ちゃんと正解するまで同じ操作を続けた方がいいよ。 今の刺激が何なのか分からないまま先にいってもしょうがないって思わない?』

 先輩が説明してくれる間も、22番さんのお股はフルフル痙攣しています。 後を引くほど強烈な電気ショックなんですね……。 もう一度、コントローラーの『上』ボタンを押してみます。 と、急に22番さんがバックしたかと思うと、ビクン、再び下半身が跳ねました。 つまり正しい操作に変換できない限り、何度でも電流に襲われるわけです。 かっ、はっ、と短い吐息を刻む22番さん。

『休んでないで、ちゃっちゃと次の指示に行きなさい。 操作に慣れる時間は無限じゃないんだよ。 本番なんてすぐなんだから、一々止まってないで、次、次』

 急かされながら、私は何度もコントローラーの『上』を入力しました。 22番さんが一体化したラジコン――以下『22ラジコン』と呼びます――は曲がったり、バックしたり、ブレーキを掛けたり、ギアを変えたりしてから、5回目の操作で前に進みます。 下半身をビクンビクンさせることなく、前に進む様子から、私が入力した『上』のキーを『22ラジコン』が正しく変換したことが見て取れました。 なるほど、これがパーツの学習なわけですね。

 それからキー1つ1つについて試行錯誤を繰り返し、合計30発程度の電撃をクリトリスに受けながら、私と22番さんは正しい操作を学びました。 時間にすれば15分もかかっていないと思います。 今では私がコントローラーを動かすと、Aボタンで加速、Bボタンでブレーキ、十字キーで方向転換といった具合に、自在に『22ラジコン』が動きます。 ここで【B29番】先輩が合格をくれました。 

『ちょおっと時間かかり過ぎなのを除けば、まあまあ上出来だ。 あとは廊下を走らせたり、即席でグラウンドに作ったコースを走らせたりして、規定タイムをクリアするだけだし、いけるでしょ。 もっともラジコンなんて一番簡単なマシーンなんだから、調子に乗っちゃダメだぞ。 他にも『ドローン』や『プチバルーン』に『タンク』とか、色んな乗り物に繋げられる可能性があるのは覚えといて』

 ドローンって……空を飛ぶ機械ですよね? ということは、目隠しに各種拘束具をつけたまま、機械で空をフワフワ動く役をさせられる、ということでしょうか?

『まあ、私たちは学園生だから、進路が『パーツ』っていうのは少ないよね。 だけど可能性はゼロじゃないし、いつまでもBやCランクにいられる保証なんてない。 Eランクに落ちた子は『パワードスーツ』をつけて『作業ロボット』になることもある。 各関節に強化筋肉をつけられて、指示にしたがって決まった工程をこなす牝のことね。 中にいるのは牝なんだけど、実際は外部から電気信号で操作されてるから、実質的にはヒトじゃない。 そういうわけで『作業ロボット』っていうんだ』

 コントローラーを回収し、22番さんの拘束を解く【B29番】先輩。 手を動かしながら色々教えてくれました。

『社会に出たら、全部『作業ロボット』で動いてる工場もあるんだって。 たくさんの牝の動きを全部事前にプログラミングしておいて、あとはほっといても運営できる工場だよ。 そういう工場に配属された牝は、作業工程はもちろん、何時に休憩、何時に栄養摂取、何時に排泄、何時に就寝、何時に起床――とにかく何もかもプログラム通りに動けなくちゃ勤まらない。 つまり、完璧な『パーツ』にならなくちゃいけない。 完璧なパーツとプログラムがあれば、どんな作業でも可能になるよね。 ま、そういう未来があることも意識してさ、パーツ役をこなしてご覧』

 やがて、ぷはっ、口に噛まされたギャグを外し、22番さんが各種拘束から解かれた起きあがりました。 電極が繋がれた場所が、度重なる電流のせいでテカっています。 汗びっしょりで頬が引き攣り、憔悴の色が伺えました。

『どうだった? パーツ役の感想は?』

『……すごく怖かったです。 何も見えなくて、聞こえなくて……でも突然電気がきて、訳が分かんないうちに、クリトリスがバチバチいって……焦りました』

『でも、何とかなったじゃない。 たいしたもんだよ、パニックにならなかっただけでもさ』

『そうでしょうか……無我夢中であれこれボタンを押すうちに、偶然助かっただけな気が……』

『いやいや、そーいうもんなんだって。 私が『上出来』っていってるんだから、そう思いなさい』

『は、はい。 ありがとうございます』

『はい、これがさっきまでお前を操作してたコントローラ。 それじゃ2番、拘束してもらう姿勢をとりなさい』

 青白い顔色の22番さんが、次はコントロールを握る番です。 翻って私はといえば、拘束されてパーツになる番。 さっきまで22番さんを観察して心の準備は出来ているハズなんですが、心臓が、どっくん、どっくん、早鐘をうちます。 でも躊躇っていたら先輩を怒らせるだけだし、私は自分から足首を掴んでまんぐり返しの姿勢をとり、そっと瞼を閉じました。
 顔に巻きつく目隠しの肌触り。 口にめり込むギャグの舌触り。 全身が真っ暗な世界に沈んでゆく感触です。 色んな不純な感覚を味わいながら、来るべき信号――身体のあちこちに送られる電気ショック――に神経を研ぎ澄ませることが、私にできることの全てでした。



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