短い再会-2
ティアラは庭を見渡す。
大きな噴水の近くには階段がある。
そこからラウルは降りて、城内から門の方へ向かったに違いないと、彼女は思った。
ティアラは階段を見下ろす。
ラウルはちょうど階段を下っているところだった。
ティアラは彼女の髪を結っていた髪飾りを急いで取り、ラウルに向かって投げつけた。
お願い!!気がついて!
上から落ちてくる何かにラウルは感づき、
とっさに避ける。
髪飾りはラウルのすぐ足元に叩きつけられ、彩られた宝石が散らばる。
ラウルが上を見上げた時、ティアラも下を見下ろしていた。
ラウルがティアラの姿を確認すると、彼は苦笑いしながら階段を駆け上がってきた。