開花-2
陰部、腹、胸と薄黄色の汚水が恵の裸体を濡らしていく…。
“あたたかい…”
足の指をアナルに突っ込まれ、全身に小便をかけられ、自分がゴミのように扱われている事を朧気に感じながらも、今の恵にとって、尿がかけられた場所に広がる温かさは、快感の余韻をいや増す後戯でしかなかった。
平らな乳房で弾けた小便の飛沫が恵の顔に降り注ぐ…。
半開きの口に入った尿の雫が恵の舌に触れ、その味を伝えてくる。それはここ数日で『味わい慣れてしまった』もので、今の恵はそれに何の嫌悪感も持てなくなっていた。
“…もう…駄目…かも…”
通常の性交のみならず、アナルセックスでも未だかつてあげた事の無い喜びの声を上げ、小便をかけられても気持ちよさを感じてしまう己が感覚は異常以外の何物でもないが、それを異常と思いはしてもどうすることもできない自分に、恵は諦めに近い感情を抱いた。
好きでもない男とのセックスで快感を感じ、それに翻弄される自分を言い訳のしようもなく自覚させられた。こんなに快楽に弱いなんて…もう今までの自分ではいられない…。
足の親指でかき回される肛門は、今もなお恵に痺れる様な快感を伝えてくる。
“…きもち…いい…”
後戯と呼ぶのも憚られる行為ですら感じてしまう己の身体の浅ましさ…。
自分は…いや、『女』であるということは、こんなにも弱く、哀しく、そして気持ちいいものだったのか…。
教師としての自分。母親としての自分。女としての自分。
生徒に、子供に、夫に全てを教えてもらったと思っていた。
全てを知っていると思っていた。
しかし、それが大きな間違いであったことを思い知らされた恵は、自らを教師でも母親でもなく、『女』として開花させた男を見上げた。
その潤んだ大きな瞳に恐怖や憎しみではないものを宿して…。
その視線を感じながらも、恵に女としての肉体的な喜びを教えた男は、自らが出したザーメンをローション代わりに恵の尻穴の感触を足先で楽しみながら、貞淑な女教師から一転、ザーメンと小便にまみれた汚らしい『男性用便器』と成り果てた恵を見下ろして、一人、悪魔の笑みを浮かべていた。