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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 情報その1 〜-1

〜 22番の情報 ・ PC操作 〜


 旧世紀末に発達した情報端末は、人類史上かつてない勢いで進化しました。 旧世紀末に誕生した時点では巨大な箱に穴あけパンチが詰まっていて、パンチカード10メートルで漸く2桁の演算ができる程度の代物だったそうです。 それが現在では親指大のメディアに『1イクサバイト』の容量があったり、共通情報ケーブルは『10テラbps』の通信速度を叩きだしたり、上空10キロメートルから海底まで全範囲を無線LANがカバーしたり――数字が大きすぎて実感がないものの、なんていうか、隔絶の感がありますね。 

 実技系の副教科にあって、限りなく座学に近い科目が『情報』です。 学園のパソコン室で講義を受けたり、操作したり、映像を鑑賞して学習する科目です。 どうやって教えてくれるのか不思議に思っていると、何とノートパソコンを使ってくれるそうで、下敷きみたいに薄いパソコンを取り出してくれました。 電源と繋ぐケーブルが無いから『あれ?』と思ったら、一度充電すれば一年以上持続するので、ケーブルなんて必要ないそうです。 処理速度は勿論のこと、細部に至るまで私が知っているパソコンの遥か上をいってます。 なおこのノートパソコンには去年【B22番】先輩が作ったデータも、【B29番】先輩のものも、一通り入っているそうです。

 幼年学校時代に家にあったパソコンなんて、学園のパソコンと比べたら玩具に過ぎませんよね。 ハードディスクが200GBで、メモリが1GBあって、充電したら6時間連続操作が出来て、それが凄いって思ってたのに……。 今から思えば全然大したことなかったんだ、って思います。

 ちなみに私たちCグループ生は、部屋に下着以外の私物を持ち込むことは出来ません。 一方でAグループ生ともなれば、自分専用のノートパソコンや携帯電話、文具や衣類一式の所持が認められています。 ではBグループ生はというと、寮有設備のノートパソコンを使ってもいいことになっていて、1人1つずつアカウントを貰ってるんですって。 ということで、【B22番】先輩のアカウントを使って、相談室のパソコンにログインします。 待機時間なんてありません。 パスワードを入力すれば、即【B22番】先輩の画面に移行します。 

『ににが作ったデータは全部見せてあげます。 テキトーに作ったのばっかりですけど、参考くらいにはなるでしょうし、にっくよりは上手です』

『……さり気に聞き捨てなんないなあ。 まあ否定はしないけど……』

『ホントはあんまり見せたくないです。 それを我慢してみせるんだから、横からゴチャゴチャいうのは禁止です』

『2人ともわかった? よーく感謝して見せて貰うんだよ。 それと、先輩には気を遣うように』

『ていうか、後輩に見られるくらいどってことなくて、見られたくないっていうのは、にっくに言ってるんですよ。 ににのデータに余計なことは言うな、です。 イラつくんです。 そこんとこわかってます?』

『あ、はい、わかりました……』

『もうちょっと待つです。 もうすぐパスワードを打ち終わります』

 カタカタカタ……。
 喋りながら物凄いスピードでキーボードを叩く【B22番】先輩。 もちろん手許は一顧だにしません。 どんなパスワードか知りませんが、軽く千語を超えてます。 チラッとパスワードの文面をのぞくと、

「変態おまんこしっこしこ、いつでもどこでもシコシコシコ、そこのけそこのけまんこが通る……」

 延々つづく卑猥な文面です。 すぐにのぞくのは止めました。 精神衛生上よくないですよね……文字の列が画面を埋め尽くす様子を眺めながら、隣で静かに先輩を待ちます。

 幼年学校では『情報』の時間に『キーボードの打ち方』や『ネットマナー』、『表計算ソフト』や『ワープロソフト』の使い方を学びました。 一方学園における当該時間は『データを作成する実習』だそうです。 授業には4つのテーマ、『素材製作(静止画・ドット絵・動画・音楽etc)』『ページ製作(スライドショー・ホームページ)』『プログラム製作(ビデオゲーム)』があって、それぞれ5時間程度が割り当てられています。 全て履修後には『パーツ(生体部品)』を学んで、それで終了。

 最後の1つ――『パーツ(生体部品)』――は耳慣れない内容ですが、それ以外は聞いただけでイメージが浮かびます。 なるほど、パソコンで色んな画像や飾りを作って、それを作品に纏めるんですね。 音楽学園のことですから、素直にパソコンを触らせてくれるとは思いません。 それでも保健や音楽の授業に比べれば、恥かしい想いもするだろうけれど、知的好奇心も少し満たせそうな気がします。




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