秘密-4
しばらく2人は背中合わせに黙って
湯船に浸かっていた。
ふと、タクミが振り向いて
ちづるを見る。
長い髪の毛をおだんご頭にしている
ちづるの後ろ姿は、
落ち着きがない様子だった。
ちづるは、あれこれ考えていた。
なんで お風呂って
言っちゃったんだろう 私
ぁあ、、、
落ち着かない っ
もう あがっちゃおうかな
、 、 、、待って
あがる時に 裸見られるの
嫌かも
タクミ君から あがってもらう?
あ、 でも
タクミ君は身体 洗いたいよね
待ってたら のぼせちゃうかも
それで鼻血でちゃったら
最悪だし !
ぁーー 〜っ、
なんで お風呂にしたの?
私、 、、
「 っ ふふっ、、 」
タクミが笑った。
ちづるは驚くが、タクミが自分を
見ている事に、気がついていない。
壁を見ながらちづるが言う。
「 なにっ!? 」
「〜っ、ふ、、
ちづちゃん、さぁ、」
「 ?」
「本当にお風呂入りたかったの?
凄い、嫌そう。 ふふっ、」
「っ!?
入りたかったよ?
今日寒かったから、、 」
嫌そう、 、 って ?
っ え!?
ちづるは思わずタクミの方を振り向いた。
タクミは、
すでに身体全体を、
こちらに向けていた。
「ちょっ、!
あっち、向いててよ!」
「えーー?
お湯、真っ白なんだから
いいじゃーん。」
「〜っ、 、 ! 〜っ、」
やっぱり お風呂
やめれば良かった !
ちづるはまた、タクミに背をむけて
考えている。
タクミはちづるに近づくと
うなじを眺める。
じっと見た後、うなじを指で
ツーっと撫でてみた。
「 っ!!ぅ、わ っ 〜っ 」
「、ふっ、、〜っ、ウケるー
ねー、、ちづちゃん 」
「 〜っ、 なに!?」
「、、 さっきゴメンね?」
「 ? 何が?」
「エッチーー、出来なくて。」
「 っ ! 」
「っつか、
バイブ入れても良かったのにー。
濡れてたでしょ?」
「〜っ、、 っ、
タクミ君は、私の事、 、」
「 ん?」
「 〜っ、そんなに、私
エッチ な っ 〜っ
エッチな事ばっかりじゃ
ない っ ! 」
「 ! えーーー?
うっそーーー 」
「〜っ、本当だよ!」
「いやいや、、それは嘘だってー!
昨日言ったでしょ?
俺、昔はこんなにいっぱい
エッチしなかったんだよ?」
「〜っ ? うん、、 ?」
「ちづちゃんが性欲強いから、
エッチの回数多いんだよ? 俺ら。」
「〜っ、!? 違う っ!」
「 はーーぁ?」
「私、だけじゃないよ っ
タクミ君が、! 」
「 俺が?」
「、〜っ、! 」
う、。
なんか
反論 出来ない、、。
出さなくていい とか
昨日もタクミ君 言ってたし
「タクミ君が、っ、 」
「だから、俺が
なぁーにーー?」
「いつも、、
私を、 、 なんか っ 」
「なんか?」
「我慢 出来なくするってゆーか、、
追い詰めるってゆーか っ! 」
「、 、 、、。」
「〜っ、、でも、、。
そうだよね。
タクミ君は出さなくてもいい、とか
言ってたし、 、」
「 、、うん。」
「だから、 ぁの、 、
ぇーーと、〜っ ?
何の話だっけ?? 」
「、 、、。
エッチだけじゃないって話?」
「そう!!
だから、その、、
無理してほしくないってゆーか、」
「、 、 、、。」
「私、 、
私だって、、!
タクミ君とエッチしなくても
一緒に居たいって思ってる、って
〜っ、、言いたかったの ! 」
「、 、、うん 。」
タクミは、ちづるの言葉が
嬉しかった。
後ろからちづるの肩に
両腕で抱きつく。
「ちづちゃん。
ありがと。」
「 、〜っ、、うん 、」
しばらくタクミは
そのままの体勢でいた。
耐えきれなくなったちづるが言う。
「 私っ、! 先に、、
あがるね! 」
「んーー? 、、うん。」
「じゃあ、あの っ
離して ください っ 」
「んーー? はいはい。」
お湯の音とともに、
タクミの腕がちづるの肩から離れた。
「あっちを、向いてください っ」
「 えーーー? ?」
「最初から、
そういう約束だからっ!」
「ふふっ、
そうだっけーー?
分かったよ。」
タクミはまた、ちづるに背を向けた。
ちづるは急いで浴室から出ていった。