稲葉明日香-4
「稲葉さん…とんだ強敵ね。」
「強敵って。」
この流れ、風馬君の時と同じだ。
「まだ彼女に悪いって思ってるの?」
「だって…。」
「確かに稲葉さんの言い分は良く分かる、でもだからって小鳥遊君と付き合わずあたると
別れない何て出来た訳?」
「それは…。」
「事故だよ事故、これは単なる。」
もしも青森の佐伯君が兄夫婦の件で忙しくなく平和で順調に遠距離恋愛をしていればもしも私が風馬君に告白しなければ、もしも稲葉さんが風馬君に恋心を抱いていなければ…。
「稲葉さんは気の毒かもしれないけどアンタは一切謝る必要何てないよ。」
「でも…。」
「そこからあの人は一方的に怒って若葉に攻撃を仕掛けた、小鳥遊君に私たちを…。」
「せめて二人にだけは。」
「察して若葉…、私たちは全然平気だし、あの人はアンタをそうやって傷つけたくてそんな事をしたのよ。」
稲葉さんを救いたい私、稲葉さんを許さず仲間を救おうとする巴ちゃん、ここが私たちの
違い、なのかな。
公園へ移動し、作戦会議みたいな事をする私達、そこに話を聞いてた一条君も。
「それで?次はどうするの…、あの人まだ僕らに危害を加えるつもりだよ。」
「ふっ大丈夫よ、稲葉さんのアホな手下共なんかこの私が…というか警察に相談するし
で、尾行でもしてもらって襲ってきたところを現行犯逮捕。」
「おぉー、賢いー♪」
「普通の事だよ。」
「風馬の件は?釈放されたみたいだけどこのままだと再逮捕、少年院送りも。」
「それも至ってシンプルよ、青森のあたるに来てもらうのよ。」
「あたるが、何でここで?」
「稲葉さんが警察に訴えた罪名は例の殺人未遂でしょ?大体事件ってのは被害者の証言が大事よ、つまりその事件の被害者である彼が警察に一言「もう大丈夫何で」とでもいえば
罪にならないし、大体訴えた彼女はありもしない犯罪まで言い出した、嘘を言う通報者の意見は信用をなくすし。」
「なるほどっ!」
ポンッと手を叩く彼、巴ちゃん、本当に頼もしいな。
「さっ!明るいうちに早速連絡でもしましょう、でないと稲葉さんとその手下が何をしてくるか…。」
「…あっ、今大丈夫?あたる、実は風馬が…。」
早速携帯であたるに電話する彼。
これで状況は変わるのか、ってこれ恋愛小説でしょーが。