て-1
じっと啓は私を見つめて。
本当に小さく小さくため息をついた。
いつの間にか私の腕を離していて
それが啓に見放されたようで寂しかった。
「直す数字を教えてくれ」
「啓?」
「俺が直す」
「啓!バレたらどうなるか分かってるの!」
そう言った私を寂しそうに笑って見つめる。
「もしバレた時に、俺のIDで直したと分かったら俺だけが罰せられるはずだ。
明日香に傷は付かないよ」
「啓!罰せられるだけって、ばれたら異動だよ。
下手したら左遷か・・・・クビだよ?」
「それを!それを重田さんは明日香にさせようとしたんだぞ!」
「啓・・・」
「別に数字を変えてくれるならどっちでもいいよ」
私達の話を聞いた重田さんは、そう言って私たちの話を遮った。
「あんたは黙ってろよ。それより本当に明日香とやり直すんだろうな?」
「約束だからな」
「啓ってば!」