bon sens-1
北国である特区の夏は、春が熟れるようにして訪れる。鉄矢は特区の大学院に進み、ルルは幾つかの学校で陸上のコーチをしていた。二人の住んでいるアパートはやはり安かった。
ルルのコーチのもと、中距離の選手としてニーナは、今年あがった中等部で活躍していた。あまり鉄矢のところに来なくなったが、それは練習が忙しいからというばかりではなかった。いつも見てくれている人が近くにいて、安心したのである。女や自分を恨んでいた気持ちなど、練習に打ち込むニーナはいつしか忘れていた。
それでもときどき、無ければおかしい習慣の程度で、二人は交わっていた。強く体だけを求めることは、もはやなかった。ニーナの父親は、落ち着いた娘の様子に喜び、鉄矢たちの暮らしを援助してくれていた。
数日ぶりで、練習の帰りに寄ったニーナを鉄矢は迎え入れた。ルルはまだ仕事で不在だった。それを見て取ってか、ニーナは大きく元気な声で
「シャワー浴びないですぐに来た。疲れてるから精子ちょうだい。うそ。シャワー貸して。」
入ると同時にジャージを脱ぎ、続けて全裸になった。下着の汚れの酷いのをニーナは鉄矢に見せた。
「お前、生理か? ルルがいまそうなんだ。」
「まだないよ。でももうじきかな。これは、おりもの。知らないでしょ。」
鉄矢の鼻先に突きつけながらニーナはそれを見せた。
「出過ぎじゃないのか。」
「走ってるからどんどん出てくるし、擦れて広がるの。女子はみんなそうだよ。」
ニーナは、柔らかな金髪の少し生えた溝を今度は開いて見せて
「おねえちゃんとできないなら、辛いでしょ? やっぱり精子ちょうだい。全部。」
鼻先の赤い溝から、おりものと女らしいおしっこのにおいに併せ、腋と同じにおいが濃く香った。大人の体に近づいているニーナを鉄矢は感じた。ニーナはそこに鉄矢の口をぐいと押しつけた。
表に味が殆どしなくなったとき、鉄矢は指に替えてニーナの中を捏ねるように回し動かした。裸で横たわり鉄矢に任せているニーナは、盃に似てきた乳房を立てて仰け反り、声を上げた。
「ルルに出会わなかったら、僕たち、あっちでずっとこれだけだったな。」
「おねえちゃんは、居てくれるだけで嬉しい。喜んでもらいたくて、何かしたくなっちゃう。」
言ってニーナから噴き出した温かいものが鉄矢の腕を濡らした。ひきつれが収まるのを待ち、鉄矢は体で入りなおした。違う太さを呑み込んだニーナのそこはまた強いひきつれを起こした。しかし鉄矢はそこで抜いて、少女の口に射精した。ちょうだいと言ったとおり、ニーナは噛みながら自分で喉へ男を押し込み、出るより先に吸い出そうとした。
「お前を見てると、Common Sense が育って初めて Bon Sens が成り立つんだって思うよ。」
一息ついた鉄矢が、まるでトイレにいる自然な様子で、ニーナの後ろの穴にしながら呟いた。ニーナの白い背中には運動部員らしく筋肉が付き、女っぽい腰のくびれが目立ってきていた。
膨らむ腹が落ち着かなくて、こめかみに脂汗をかいたニーナが言った。
「なに? 英語? こんなとき頭使わせないで。出そうでお腹痛くなってくる。あ、出る出る。」
「まだ、だめだよ。」
鉄矢は腰を動かした。