その2-3
そして、あと一週間ほどで夏休みに突入…
と言ったところで、優の前に一人の女の子が現れる。
「ねえ、君が藤井優だよね?ちょっといい?」
「え、えっと、君は?」
彼女は名前も名乗らず、優を空き教室まで引っ張っていった。
「貴方でしょ?下着女装とか始めて、みんなに広めてるの。」
「いや、広めてなんかいないよ。確かに、みんな理解してくれて、同じ友達も増えたけど。」
「悪いけどさ、それ辞めてくれないかな。貴方みたいな中途半端なのきらいだし、一緒にされたくないの。」
そう、彼女は本当は男の子。
性同一性障害の子なのである。