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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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「兄貴。僕が紗江子さんを送るから」

「おまえ、ちゃんと帰って来いよ?
送り狼になるなよ?」

「古っっ!いまどきそんな言い回ししないから!」

「いいんだよ!とにかく紗江子は俺の大事な同僚だからな!」

「はいはいはい。兄貴は明日香さんを送ればいいんだよ!
兄貴は逆に帰って来んなよ!
明日香さんをモノにするまで帰るなよ」

「うるせ・・・」

啓と司君の間で そんな会話がされている事は
頭の隅で聞こえていた。

それから私は啓にタクシーに乗せられた。

「明日香。家の説明できる?」
「できましぇん・・・・」
「ほら。しっかりして」

私の酔いは本物だったけど割と意識はしっかりしてた。

伊達にトシを食ってるわけじゃない。
伊達に飲み会の場数を踏んでるわけじゃない。

タクシーの中で軽く寝たら家につくころには
覚醒する自信はあった。




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