歌-4
暗い部屋で、タクミはちづるの頬を、
手のひらで包み込む。
そのままキスをした。
少しの間、ディープキスをしていると、
ちづるは辛そうに悶える。
「ん、、〜っ、んん、 っ !」
すぐに、勃起が始まったのが分かる。
太ももをモゾモゾと擦り合わせる。
タクミは右手のひらを、
ちづるの首もとに移動させる。
真っ白のVネックのニット。
タクミはゆっくりと鎖骨を撫で始めた。
ちづるはたまらず吐息を漏らす。
「はぁっ、 ぁ、 はぁ 」
タクミはもう片方の手で、
ニットの中に手を入れて背中を撫でる。
ゆっくりと背中や鎖骨を
撫でながら静かに言う。
「俺の、、手が ?
気持ちぃの? 」
「は、っ はぁ、 はぁ ぁ」
「んーー?」
「はぁ ん っ! んん、 」
「ふふ、、 まだ、
ちょっとしか
触ってないよ? 」
「ん、 んっ、、はぁ 」
「、 、、 。」
あ、。
また
あの動き した
ちづるは、興奮し始めると
鼻の下に指を持ってきて擦る。
そして、その指を見る。
鼻血が出ていないか確認する動きだ。
ちづる本人は、
タクミにバレないよう小さく、
素早く確認しているつもりだった。
しかし、タクミはいつも、
その動きの意味を分かっていた。
タクミが言う。
「ね、 聞いていい?」
「、ぇ?」
「エッチな事、する時に、、
鼻血出ちゃった事、あるの?」
「、え、」
「俺以外で、 、」
「 、ぁ、。」
「、 、、 、
あるんだ 。」
「、 っ、」
「っはーー、、、俺、
ちづちゃんの事
知りたい。」
「、ぇ、 」
「全部。 過去も。」
「、〜っ、、 」
「、 、、。
傷ついちゃったの?」
「ん、 うん、、。」
「そっ か、 、。」
「、 、 、、っはぁ、
初めての、、 」
「 え?」
「初めての、エッチの時に、、
はぁ、 、ん、 」
ちづるは思い出す。
19才の頃に付き合っていた彼の事。
付き合い初めて2ヶ月過ぎた頃、
彼に、身体を求められた。
初めてのSEX。
この人なら、と思えた。
お互い実家暮らしだった為、
ラブホテルに行った。
いざ、お互い下着姿になり
彼が前戯をしている途中、
ちづるはあまりの緊張と興奮のあまり
鼻血を出してしまった。
その彼は「大丈夫?」と言いながら、
ちづるを気遣ってくれた。
ちづるは思わず、泣き出してしまう。
彼はちづるを気遣いながら、
「今日はやめておこう」と、
SEX はしなかった。
それから1ヶ月も経たないうちに、
ちづるは彼から別れを告げられた。