歌-3
タクミは歌いながら考える。
とりあえず合コンは
断固 阻止
、 、、って
出来るのかな 俺
ちづちゃんは
美人で
料理が上手い
歌が上手い
エロい
って なんだそれ
それ本当 普通に
モテる人じゃん
離婚して
医者と合コンして
玉の輿を狙う
勝ち組になる
とか
全然 できる人だよ
、 、 、、俺は ?
専門行って 働いたって
給料なんて
たかが知れてるし
あ、 。
ヤバい なんか マジ
落ち込んできた
タクミは、そんな事を
ぼんやり考えて歌っていた。
いつの間にか曲が終わった。
ちづるが言う。
「ぁー、、やっぱりいい曲〜
タクミ君、うまいね。
PVもカッコイイ〜
歌詞が、切ないよねー。」
「うん、、。
ほんっとー
切ない。
泣いちゃいそーー。」
「えー? ふふっ、、
凄い、感情移入してるね。
でも、、 分かる。」
「、、、。
バラード、
今日はやめよーかな。」
「え?」
「泣いちゃいそーになるからー。
あ、始まったよ? 」
「あ、 うん、 、」
ちづるは歌い始める。
それから2人は交互に、
1時間ほど歌い続けた。
タクミが歌い終わるとちづるが言う。
「飲み物、持ってくるよ。
何飲む?」
「あ、持ってきてなかったね。
えーーと、じゃーー、、
カルピスがいい。」
「分かった。」
ちづるは、部屋から出ていった。
フロント近くにある、ドリンクバー
のコーナーからカルピスを2つ、持ってきた。
タクミは「ありがとー。」と言いながら部屋のドアを開ける。
2人はジュースを飲む。
グラスをテーブルに置くと、
タクミはじっとちづるを見つめる。
タクミが言う。
「、、続き、そろそろしよっか?
撫でて あげる、、 」
「え、? でも、、」
「んーー?」
「外から見られちゃうかも、、」
「暗くすれば、大丈夫ーー。」
タクミは席を立つと、
部屋の電気を消した。
その後、ドアのガラス部分に
自分の上着をかけているハンガーを
吊るした。
窓のない部屋は、
モニターの明かりだけになった。