父の温もり(楽屋話1)-4
ビクン、ビクンと何度も身体を脈動させるケンジの心地よい重さを夏輝は味わいながら、夏輝は目をぎゅっと閉じて喘ぎ続けた。
「ケンジ、ケンジ!」
夏輝は焦ったように叫びながら、顔を振り向かせてケンジを見た。
「も、もっと下さい! あたしに貴男の熱い想いをもっと!」
ケンジは身体を起こし、深く繋がったまま脚を交差させて夏輝の身体を仰向けにした。
いつしかシーツは二人の流れる汗によってしっとりと湿っていた。
両脚を大きく広げた夏輝は、呼吸過多の症状のように息を荒くしながら両手をケンジに伸ばした。
「ケンジ! イって! もっと、もっとイって!」
「夏輝!」
ケンジは水泳で鍛えられた逞しい腰を豪快に上下させた。まるでバタフライのフォームのように。
すでに何度もケンジが放出したものが、夏輝の中から溢れ出て繋がり合った二人の間に迸った。
「もっとたくさん頂戴! ケンジ、お願い!」
「夏輝、夏輝っ!」
「ケンジ! もう止まらない! 止まらないの!」
「僕ももう止められない! いい? 夏輝」
「あたしをあなたでいっぱいにして! お願い! もうあたし!」
夏輝は狂ったように叫んだ。
「イくよ、夏輝、もう一度、イくよ!」
「ケンジ、出して、あたしの中にまたいっぱい出して!」
ケンジと夏輝は激しく身体を揺すった。
ベッドがぎしぎしと音を立てた。
「出すよ、夏輝、夏輝っ!」
「来て! ケンジっ! あたしの中にっ! あああああーっ!」
びくびくっ!
ケンジの動きが止まり、身体が大きく脈動を始めた。
「ああーっ!」夏輝が甲高い声で叫ぶ。
「うああああーっ! イってる! 僕もっ! 夏輝、夏輝っ!」
汗だくになった二人は固く抱き合ったまま身体を大きく震わせながら、その夜で最高のクライマックスを迎えた。
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