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幽霊と一緒
【コメディ その他小説】

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幽霊と一緒 〜遭遇・憑依偏〜-1

日本には古来から森羅万象に神が憑いていると言われていた。しかし今の時代に信じる人はいない。そんな時代に一つの幻想的な遭遇とイベントが起きる。

とある町のとある高校。
二年の教室に一人の男子生徒が机にもたれながら爆睡していた。
少年の名を神道零[しんどうぜろ]と言う。顔は中性的、成績は平均。背の高さも平均。まさに平均で構成された人物だ。髪は平均より少し長いのだが。しかし零が周りとはまったく異なる点がある……。それは

   [高い霊能力]

よく占い師に霊感が他界などと言う人がいるが、零の能力はそれとは比べ物にならない。会話はもちろんのこと除霊は数秒、挙げ句の果てには悪魔などの召喚もできる凄腕である。しかしそれを知る人は既に亡くなった両親、特別親しい友人のみだ。
チャイムが鳴り担任の教師が教室に入ってきた。零はまったく気付かず寝ている。
「今日からクラスに新しいメンバーが増えるぞ〜」 教師がそう言うと零は何かに反応するように頭を上げた。
(カワイイかな?)理由は完全な下心だったが。期待しながら目をパッチリ見開く零。
「じゃあ入ってきなさい」と教師に言われると一人の男子生徒が教室に入ってきた。
(なんだ男か……)などと思っているとクラスの女子が騒めきだした。その生徒は顔が整っており、背も結構高い。いわゆる‘イケメン’だ。
「初めまして。六道疾風[ろくどう はやて]です。」
疾風がニコッと笑顔を見せるとクラス中から「キャー」と悲鳴が聞こえる。多分悲鳴ではないが……。
「じゃあ六道君は……神道の隣の席に座りなさい」
「はい」
そう教師が指差した零の隣に疾風が席に着いた。窓側の席を零は若干羨ましがった……。ふと疾風のほうを見ると目が合った。
「よろしく」疾風はそう言いながら微笑んだ。まぁクラッとはこないが……きたらヤバいよな。
朝のホームルームが終わると疾風はクラス中から質問攻めを受けていた。「どこから来たの?」「趣味は?」「好きな食物は?」などの学校生活には一切関係ない質問ばかりだったが……。すると疾風がいきなり立ち上がり隣の席に座っている人物に視線を向けた。……疾風の席は窓側なので隣はこっちしかない。そう、すなわち零だった!
「神道君だよね?ちょっと来てくれるかな」
「え?まぁいいけど」
零はわけもわからず了承してしまった。
「ところでどこに?」
「ん?屋上」
「屋上は鍵が掛かっているんだけど……」
「ま、いいからいいから」
そして疾風に手を引っ張られ教室を後にした。教室を出るときにブーイングがあったが僕のせいではない。

廊下を歩きながら零は一つ思った。(あれか?もしかしてBLってやつか?ヤバいな、一体どうすればいいんだ!)などと無意味な事を考えているので重要な点に零は気が付かなかった………。その重要な点とは零が疾風の後ろを歩いていること。普通に考えれば初めての校舎の構造を知っているわけがない。しかし零はそれに気が付いていない……対処法を考えているからだ………。
そしてすぐに屋上の扉に二人は辿り着いた。しかし扉にはいかにも頑丈な鍵が掛かっていた……
「ほら開いてない、さて教室に戻るか……」
回れ右をするとバチンと背後から音がした。なんだと思い振り向くと鍵が壊れて床に落ちていた。


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