投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

幽霊と一緒
【コメディ その他小説】

幽霊と一緒の最初へ 幽霊と一緒 1 幽霊と一緒 3 幽霊と一緒の最後へ

幽霊と一緒 〜遭遇・憑依偏〜-2

「さ、とりあえず外へ」
「……あぁ」
(何が起きたんだ?)
二人が屋上に出る。季節は暖かくなり今日は暑いくらいだ……。さすがに毎日は来れないがここなら何の霊も見ることはなく人並みの平穏が送れる。最近は現世も‘あの世’も霊が多すぎるな。などと周囲が聞けば確実に危険人物のレッテルを貼られることを考えていると、
「神道君ってさぁ……」
疾風が本題に移った。(マズイな良い対処法を考えていないぞ)と焦っていると疾風の口からは思いがけない発言が……
「霊能力者でしょ?それもかなり高レベルな」
ある意味助かったがある意味では危機に陥る発言だ
「な、何言いだすんだ?」
零はかなり焦っているが、さっきの焦りとはまったく原因が違う。零が霊能力者と知っているのは数人の人物だけだ。
「だって俺は……」
疾風が何かを言おうとした。ここは下手に喋るより話を聞いたほうが得策だと零は判断した。
「“遣霊使”だし」
何を言うかと思えばわけの分からないことを言う疾風「遣霊使?なんだそれ?」
「まぁ簡単に言えば現世とあの世を行き来して霊能力者が力を正しく使っているか審査する霊だよ」
疾風は本当のように語っているが信じられるわけが無い。零は念のために聞いてみた。
「しゃあお前が霊だっていう証拠はあるのか?」
「じゃあ少しだけ……」
疾風がそう言うと疾風の体が宙に浮いた……。
「なッ!」
「これでも不満なら……」
すると疾風の体が透明になった。
「これで満足?」
何もないのに声が聞こえる……。不気味だ
そして疾風が姿を現し、スタッと着地する。零は驚きが隠せなかった。
「認める?」
「これを見て認めない奴はいないだろ」
思えば朝に反応したのは転校生などに対する興味ではなく、霊能力者としての力だったのかもしれない……。やっかいな力だな
「じゃあ俺は今日から零に憑くから」
「え?なんで?」
「監視するのが仕事だからさ。一定範囲から長時間離れるのは規律違反だし」
どうやらあの世のお役所も規律は厳しいらしい。
「憑くってことは……」
「ま、同居になるね。あ、断ったら死神を寄越すから」
呑気な事を言いながら微笑む疾風。零だって死神だけはイヤなので
「……仕方ないか。つーかなんでお前は僕の下の名を知ってるんだ?」
さっき疾風は確かに‘零’と呼んだ
「以前から書類にまとめていたから。まぁ零も俺を‘疾風’って呼んでよ」
「わかった。不本意だけどよろしくな疾風」
「こちらこそよろしく」

そして二人は契約を交わし“憑く”と“憑かれる”の立場になった。


幽霊と一緒の最初へ 幽霊と一緒 1 幽霊と一緒 3 幽霊と一緒の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前