−玲奈、崩壊 その2−-1
_心の奥底に、快感を求める気持ちがあった。あの日の屈辱より、罪悪感より、羞恥の念より、快感の記憶の方が、僅かに強く刻み込まれていた。あの快感。全身を駆け抜ける電流のような、ぞくぞくするような、きゅんとするような快感の記憶が、それを求める欲情が、玲奈の心に刻まれていたのだった。
_ 心の底に閉じ込めたはずの、それらの記憶と欲情が、微かに表出して来るのを抑えられず、その微かに表出したものが玲奈を縛り、声を上げる事も、逃げ出す事も、出来なくさせていた。
_ あの日以降玲奈は、見知らぬ男性と至近距離になる度に、その手が彼女の股間に伸びて欲しい願望を覚え、街中でカップルを見かけるたびに、彼らは今日SEXをするのだろうかと淫靡な妄想を膨らませ、胸元や股間に男の視線を感じる度に、乳房やヴァギナを見せつけて男の欲情をそそりたい衝動に苛まれた。
_ それを心の内だけに留めているつもりだったが、玲奈を尾行・観察していた男達には見透かされていたのだ。
_ 玲奈の内に芽生えた凌辱願望が、男達にははっきりと認知されていたのだ。
_ だから彼らは、声を出されれば誰かに通報されるかもしれないような環境でも、玲奈への痴漢を敢行できた。男達には、早朝の住宅街の路上という状況で、玲奈への痴漢を成功させられる確信があったのだ。
_ そして彼らに囲まれた瞬間、玲奈は声を上げる事も逃げる事も出来なくなり、彼女もまた、確信せざるを得なかった。「拒めない」という事を。
_ 辰己の右手が、玲奈の股間に伸びた。
「いやっ」
と小さくつぶやき、玲奈は、その辰己の手を自分の両手で押さえつけようとした。
_ しかし、十分な力はこもらなかった。
_ 辰己も玲奈も予測した通り、辰己の片手は、玲奈の両手という防壁をやすやすと突破し、玲奈の秘部に到達した。
_ 濃紺の制服のスカートが、辰己の指先の圧力に屈して窪みをつけられ、太腿や股間に張り付いて、玲奈の下半身のシルエットを生々しく浮かび上がらせた。
_ 辰己の指が、クイックイッと曲げ伸ばしされると、玲奈のカラダの深い部分を快感が駆け抜け、玲奈は瞬時に脱力した。辰己の手に両手を添えたまま、微動だにできなくなった。
_ 拒まなければいけない、こんな場所で破廉恥な姿を曝してはいけないという理性や羞恥心の叫びが、玲奈の頭の中に木霊していたが、股間から突き上げ全身を駆け巡る快感が、それを圧倒した。
_ 玲奈の股間に食い込んだ辰己の指が曲げ伸ばしを繰り返す度に、玲奈のカラダを駆け巡る快感は、破壊力を増して行った。
_ 脱力し支えが弱くなった玲奈の頭部が、カクンと後に倒れてすぐ、慌てたように起き上がる、という事が繰り返された。その事で玲奈は、感じている事を男達に、これ見よがしな程に暴露してしまっていた。
_ そして、玲奈はイッた。