好きの散弾銃、防御壁無し。-4
「突き抜けたら死ぬだろ、普通。つか、俺を殺人犯にするなよ、コラ」
「言葉のあやを知らんのか」
「はあ?意味わかんねーっつの。つか、学校は一応行くし」
「意外。偉いなー、学生」
「は?」
「ん?」
「あんたも学生じゃねーの?」
こうしろうは目をぱちぱちさせてこっちを見る。え、学生じゃねーの?同い年じゃないとは解ってたけど、どっかの高校生じゃないの?もしくは大学生とか。
え?え?
「あー、オレ学生じゃねぇよ。社会人だけど。24だし。」
「に、にじゅうよん……!」
マジかよ!ちょい老けとは思ってたけど、7つも違うとか。
うーわー、マジかよ。マジかよ。マジかよ!
「想定外?オレ、やめとく?」
「はあ?今更やめるわけねーだろ!俺の好きをなめんな!あー、もう!ふざけんじゃねーよ!好き好きこれ以上言わせんな!」
あはははは!
なんて軽く笑いやがって。
俺の散弾銃、引き金引きっぱでイかれちまったし。
くそ、くそ!
あー、もう!
笑った顔もかなり好きだっつーの!
陥落だ。ちくしょー。
でも、この春の日をぜってー忘れねー!と、心の中で息巻きながら、実は掌にはびっしょりと汗をかいていた、何て言うのは一生の秘密だ。
fin.