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Army×Army
【ボーイズ 恋愛小説】

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好きの散弾銃、防御壁無し。-2

「なんだよ、いきなり黙りこんで。沸騰したり、冷却したり忙しい奴だな」
「うるせー。あんたに俺の気持ちなんかわかんねーよ、ちくしょー」

あー、段々胸が苦しくなってきた。
やっぱ男同士って報われねーのかな。朝のホームで爽やかに告るとかすでに死亡フラグだったりするわけ?
つか、夜なら良いのかよ。ホームじゃなきゃ良いのかよ。つか、どっちも意味ねーよ。こいつと会えるの朝のホームしかねーもん。
勝手かも知らねーけど、ここで一目惚れしたんだから仕方ねーじゃん。
イヤホンじゃなくてヘッドフォンなんて重たいの着けて、なんてことない私服にくたびれたスニーカー。ひょろっとしてるのに、電車内の混雑でも頭一つ出る長身。両手で一つの吊革に掴まって、だらっとしてるようでいて意外と逞しい前腕だったり。
あ、いや。見すぎだってのは知ってるけど、何処の学校で名前がとかまではわかんねーし。
あー、好きなんだよ。くそ。
解っても解んなくても良いから好きなんだよ。今更自己紹介されたからって好きとか嫌いになるレベルじゃねーんだよ。
あんたが答えを濁してるだけで、腹の奥や喉の奥がひりついて痛いし、我慢しても目頭も痛むし、俺あんたのせいで大変なんだよ。ふざけんじゃねーよ、コラ。

「なに、泣きそうな顔してんの?わかんねー奴。つか、名前くらい知らねぇと話し始まらなくね?」
「……あまね。さくまあまね。」
「名前からして可愛いのな。オレは、こうしろう」
「こうしろう?」

驚いた。あんなに色々考えて頭沸かしてたのに、聞いた名前がこうしろう、て。イメージ違うんだけど。

「あー。いちい こうしろう。日本人だ」
「そりゃ、どう見ても日本人だろーよ。つか、何でいきなり名前とか」
「知らないで済む話はないだろ」

ん?と眉間に皺を寄せて、こうしろうが言う。こうしろう。こうしろう、かぁ。
やだな。名前をなぞるだけですげー胸が痛いんだけど!つか、嬉しい痛みだよ絶対。きゅんきゅんするっつーの?良くわかんねーけど、すげーよ、おい。
どんな字書くのかな。うわ、もっと喋らないかな。つか、俺、喋れねーよ!ドキドキしすぎて喋れねーよ!
あー、困った顔もイケメンだ。
つか、何で困ってんの?確か名前の話だったよな。何で教えてくれるの?
知らないで済む話じゃないってどゆこと?

わかんねー。わかんねーことばっかりだけど、一つだけ確かなのは、どんどん好きになってるってこと。

あー、もう!
深く考えんのダメだ!俺、超苦手過ぎる。
俺が好きで何が悪い!何度だって言ってやる!


「俺、あんたが好きなんだよ!どうとられようと気持ちに嘘つけねーし、あんたが振ってくれるまでどうにもなんねーんだよ!」

はぁ、はぁ。
言ってやった。


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