1本の電話-1
介護学校を卒業し、各自は思い思いの職場へ
面接に行っている中、オレはまた別の資格を
取得するために動き始めていた。
当時、ほとんどが携帯電話を持っていた時代
だったが、由美子は携帯電話を持ってはいな
かった。
それだけ家庭の懐事情も厳しかったんだろう。
介護実習で顔を合わせる中で、由美子を口説
くチャンスはいくらでもあったが、そんな事
もあって実行には移せなかったのだ。
しかも、リストラされた身で心が折れていた
オレは、妄想で由美子を抱きはしたが、自分
を慰める以外の選択肢はなかった。
そんなある日の夕方、自宅に1本の電話がか
かってきた。
電話を取ると、由美子からだった。
「鈴木さん、いろいろとお世話になってあり
がとう。お礼がしたいから逢えないかな?」
「お世話なんてとんでもない。明日の夕方な
ら実家に帰るんだけど空いてる?」
「うん、大丈夫。18時に〇〇のマクドナルド
で待ってる」
そう約束し、由美子と2人きりで逢うことに
なった。
オレは由美子を抱きたい気持ちを隠して、善
い人でいられるのだろうか?
そう考えると巨大な妄想がオレを支配し、自
然と勃起していた。
オレはまた由美子のコリッとした黒い乳首を
甘く口に含むことを想像して舌を丸くした。
明日、2人で逢うのはマクドナルドの店内だ
ろうか?
それとも、狭い車の中で隣の由美子の匂いを
嗅ぎながら雑談するのだろうか?
オレは数種類のストーリーを思い描きながら
果てた。