unripe fruits-13
瞬間、俺は繋がったまま桜井を強く抱き締めた。
「奈緒……俺も好きだ」
俺が桜井を下の名前で呼ぶと、驚きで目を見開いて固まる。
「……どした?」
「だ、だって……、今、奈緒って……それに、その後……」
「いいじゃん、好きになったから名前で呼びたくなったんだよ」
「野々村……」
「これからも奈緒って呼ぶから。だからお前も俺をこれから名前で呼べ。 いいな?」
そう言って、答えを聞かないまま、再び腰を打ち付け始めると、
「んああっ、あっ、ああんっ!」
と奈緒の淫らな声が高くなった。
恋を知らないガキな俺が、初めて知った好きって感情。
快感で火照る身体とは別に頬が熱いのは、照れ臭さからか。
まだまだ青くて苦い、未熟な果実の俺だけど、ほんの少し甘くなる。
「ほら、俺の名前呼んでみろよ。猛(たける)って」
「……た、ける……あっ」
「ちゃんと」
「猛……ああんっ、猛ぅっ!!」
奈緒が俺の名前を呼んで乱れる姿に、もう身体は限界だった。
「奈緒……俺、もうヤバい」
「ん……いいよ」
その言葉を待つ余裕はもうなくて。
「…………っく!!」
それでも寸でのところでペニスを引き抜き、奈緒の白い腹の上に欲望をぶちまける。
俺の名前を呼んでは乱れる奈緒の姿に、この上ない幸せを感じながら、俺は絶頂を迎えるのだった。
全力疾走したかのように弾む息をしながら、奈緒を見ると、赤ら顔にぐしゃぐしゃになったお下げ髪。
彼女もまた、激しく呼吸が乱れていた。
たくさん感じてくれた彼女の頬に触れると、とても滑らかで熱くて。
彼女もまた未熟な果実がほんのり色づき始めた、そんな気がした。