投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

恋のMEMORYの最初へ 恋のMEMORY 152 恋のMEMORY 154 恋のMEMORYの最後へ

落書き犯の正体-1

月に一回市民会館で開催される美術部による絵画コンクール。そこには見慣れた部員たちは勿論、その親に友人と沢山の方が足を運んでいて。

そんな賑わいの席の中、一人ポツンと壁に背を寄せ暗い表情で床に視線を落とす一人の
少年が…。

「風馬君っ!」
「!…、稲葉さん。」

元気よく彼の元へ駆け寄り、それに対して沈んだ顔のまま首を上げる。

「準優勝、おめでとう!」
「ありがとう、…でも君の佳作賞も中々だよ。」
「私何てまだまだだよー。」

実に低いトーンで感謝と褒め言葉を口にする。

「あ、あのさっ!」
「うん、何?」

私は、彼の事が好きだ…、だから、この前の水族館だけじゃ物足りない。

「ディズ○ー、好き?」
「え…、うん、それなりに。」

顔が、熱い。

「だったらさぁー、今度一緒に映画観に行かない!?今、最新作が上映されていて、クラスでもちょっと話題何だけど…。」
「……。」

言葉を失い、考え込む。

「ゴメン…。」
「!!」

彼も、私と映画に行く事が何を意味するのか分かっているようで、君とは付き合いない
他に想い人が居るから…、そう聞こえて仕方がない。

私は不意に彼の想い人柊さんを思い浮かべるも、それを口にする事はなく。

それから何を言うでもなく私にスッと背を向け、この場を立ち去る。

「風馬…君。」

所詮は叶わぬ恋、なのだろうか…。





恋のMEMORYの最初へ 恋のMEMORY 152 恋のMEMORY 154 恋のMEMORYの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前