第1話 危険な早摘み-2
「ねえ・・・陸人君。どうせなら、私の脚をマッサージしてくれない?。おばさんね、最近ふくらはぎの辺りとかこってるのよね」
私は、一向に止む事の無い彼の手つきに困惑を覚えて、他の事に話題を振ってみた。
やはり、このままストッキングだけを触らせる行為は、いくら子供の好奇心からでも違和感を感じたからだ。
これが脚のマッサージならば、ある程度は自然な感じになると思い、私は考えていた。
「でも、僕はマッサージなんてした事ないよ?」
「良いのよ・・・陸人君の好きなように、大体で構わないから」
私はそう言いながら、正座している両脚を彼の前に差し出す様に伸ばした。
すると、彼の方は両膝を付けたまま立ち上がり、おもむろに私の右の足首を左手で握りしめた。
そのまま少し抱え上げると、空いている右手で私のふくらはぎを握りしめて、ぎこちない手つきで軽く揉み始めた。
「おばさんこんな感じで良いの?」
「ええ・・・良いわよ。その調子でお願いするわ」
実際は、彼のマッサージが効果的なのか定かでは無い。
ただ、彼のストッキングを触る行為を正当化するには、これしか思い浮かばなかった。
「おばさん、もっと力強く行くね」
彼はそう言いながら、ふらはぎを揉む手つきに力を込めた。
その反動の為か、マッサージをする私の右脚は、まるで屈伸運動の様に膝を折り曲げたりを繰り返した。
「ふふ・・・陸人君上手くなってきたわよ。何だか、おばさん気持ちよくなってきちゃった」
徐々にとコツを掴んだのか、彼のマッサージは手際が良くなり、私に心地良い刺激を与えていた。
思わず、その心地良さに浸ろうと、私は彼の性的意識などすっかり忘れて目を瞑った。
ふんっ・・・ふんっ・・・・・・
しばらくは、マッサージをこなす彼の鼻息の音が、静かな室内を支配した。
その間隔は、彼の指先に力が入る度に漏れる感じだった。
私は、彼が真剣にこなしてる証と思い気にも止めなかった。
だが、その鼻息が漏れる音と同時に、私の脚の指先には何かが当たる違和感を覚えた。
初めは、彼がマッサージする度に、自然と身体の一部が当たっているものと思っていた。
しかし、徐々にと力強くなる感触に違和感を覚えると、私は薄目を開けて彼の方を確認してみた。
すると驚く事に、彼は自分の膨らみを私の足裏に押し付ける様に、さりげなくマッサージをこなしていた。
しかも、屈伸運動の様に私の脚が伸びた瞬間に、彼が自ら腰を付きだす様に押し付けていたのだ。
この異様な感覚は、私が戸惑いを感じると供に、ある事を思わせた。
それは、私の脚裏を性器に見立てた、間接的な彼の性行為。
その表情も伺えば、さらに目が据わり、確実に私の脚裏を使って行為に及んでるのは間違いなかった。
さすがにこのまま見逃しては、これからの息子を含めた彼との関係に、修復できないほどの亀裂を生じると私は感じ始めた。
「ね・・ねえ・・・おばさん十分気持ち良くなったから、もうこれくらいにしない?」
私はマッサージに満足気なふりをして、彼の行為を止めさせようと話しかけた。
「はあ・・・はあ・・・・・・まだまだこれからですよ。僕のマッサージで、もっとおばさんの事を気持ちよくさせてあげますよ」
「キャッ!」
私の言葉を無視するかの様に、彼は行為を止めるどころか、なぜかもう片方の脚も抱え上げた。
その瞬間にバランスを崩した私は、フローリングの床に仰向けになっていた。
ここまで来ると、私が彼のマッサージに施される事など、第三者目線で見ても通用するはずはなかった。
そうなると、コンビニに買い物に行ったっきりの息子が、いつ帰ってくるか不安になった。
そんな私の思いなど届くはずもなく、まるでスイッチでも入ったかのように彼の暴走はエスカレートしていった。
次に、彼は抱え上げられた私の両脚を揃えると、再び同じ様に屈伸運動の動きをさせた。
相変わらず、意図的に自分の膨らみに当てる行為は変わらなかったが、今度は、私の両脚の裏で挟み込むように大胆になっていた。
むしろ、彼の物を挟んだ私の両脚を摩る事により、屈伸運動の動きに見立てているとも過言では無かった。
「はあ・・・はあ・・・・・・僕のマッサージはどう?。段々気持ち良くなってきたでしょう?」
相変わらず彼は、一連の動作をマッサージで押し通すつもりで居るらしい。
傍から見ても、マッサージとは掛け離れた、彼の行為にしか見えないにも関わらず。
ここまで来れば、例え彼との関係に亀裂が生じても、注意するのが私の義務だった。
だが、その義務を躊躇させるくらいに、私は彼の行為に狂わされていた。