はじめて……-1
第21話 〜〜「はじめて……」〜〜
はじめて会った頃って、どんなだっけ……。
「今日から、見習いで入ることになったコトリちゃんだ。お前が、面倒見てやれ。」
ジイ様に背中を押されて、じっと大きな目で、オレを見上げてたよな。
まだ、道着も、持っていなかった。
ふーん……けっこう、カワイイんでしょ。
最初は、こんなもんだった。
その頃は、お子チャマなんかに、興味はなかった。
「この人は、タカ先生だ。怖い先生だから、ちゃんと言うことを聞くんだぞ。」
やだな、館長。そんなこと言ったら、この子、引いちゃ……。
「オッス!」
……………………。
今、このジイさん、怖いって言ったよな……。
のっけから生意気だった。
「コトリのだから、だめぇ!」
ひと月もすると、すぐに、オレに群がる子供たちを蹴散らすように。
「抱っこ……。」
一生懸命、よじ登ってきては、いつも甘えるように、ねだってたっけ。
何度、叱っても聞きゃしない。
猿かお前は?。
「へへへ……。」
抱え上げてやると、嬉しそうに笑う顔が、すごく可愛らしかった。
きびしく仕込んだつもりだけど、ちゃんとついて来た。
キスをするようになってからは、すっかり、奥様気取り。
でも、なんか嬉しかった。
いつの間にか、お前は、オレん中に入り込んでたよな。
だから、今度は、オレが……お前の中に入る番だ……。