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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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旅の始まり-2



「マアちゃん……オレ達、もう終わっちゃったのかなぁ……?」

「ばぁか、まだ、なにも始まっちゃいねえよ!」

キッズリターンの名セリフ。

ほんと……。
なにも始まってないって。
これから、まだまだ、やらなきゃならないことが、たくさんあるってのに……。

まったく元気がなかった。
パンツの中で、ヤツは意気消沈。
ぐったりしてやがる。
生まれて初めての経験。

お前、このまま終わる気か?




<AM0830 自宅アパート> 

今朝は、ケータイの着信音から始まった。

寝不足の頭で、ケータイに出ると、スピーカーからは、あのニート君の声。

「タカ……ごめん……。」

どうやら、アイツも眠れなかったらしい。
オレとは違う理由だろが……。

浅い眠りの中で、何度もキョウコの瞳に苦しめられた。
オレが2年間、想いつづけた女の憐れな末路。

「気にすんな……。」

お前が、悪いわけじゃない……。

しかし、どうしても信じられない。
彼女が自分の意志で、あんなマネをするとは、どうしても思えない。

「あのビデオの出所を確かめてくれないか?それも、できるだけ早急にだ。」

会話の最後、オレはアイツに頼んでいた。

(これ、すごく高かったんだ。まだ出たばっかり……。)

それが事実なら、あのふたりは、まだ、あの地獄の中で狂いつづけてるのかもしれない。
できることならば、助け出してやりたかった。
そして、いったい、彼女に何があったのか、知りたかった……。

また仕事がひとつ増えてしまった。
実家を訪ねて、彼女の今の住まいを確かめるつもりだった。
もう一度、彼女に逢いたい気持ちが、オレを強く動かそうとしていた。

まったく、ここのところオレを取り巻く環境は、ほんとにまともじゃない。
(監視しろ……)
耳に残っているシゲさんの声。
引き出すことのできなかった、シホとコトリの住民記録。
そして、昨夜見た、サカイキョウコの変わり果てた姿。

とてもじゃないが、登庁できる心境になんかなれやしない。
アイツとの電話を終えると、すぐにオレは職場へと電話を掛けていた。

「すいません……母が、体調を崩しまして……ええ、父も病弱なものですから、看病ができませんので、はい……すみませんが、そういうことでよろしくお願いします。」

嘘八百……。

「はいはい♪。」

夏期休暇を終えたばかりで、心苦しかったが、応対に出た課長の、なんとあっさりしたことか。
ま、総務課は、閑職ポストだからね……。

はは……お袋が病気で、親父は病弱……。

………………………………………………。

ハハッ!ありえねえ!!!
ババァは昨日から町内会の慰安旅行、今頃、箱根でフラダンスでも踊ってるよ!!
ジジィも、ババァがいねえのをいいことに、羽伸ばしてゴルフにでも行ったに決まっとるわい!!!
昔から、病気とは無縁のふたり。
おかげでオレも超健康優良児。
嘘つくなら、これからはもっとマシな嘘つこうっと……。

取りあえず、シホとコトリのタイムスケジュールを確かめることから始めるか。


<AM0840 まだ自宅アパート> 

職場への電話を終えた頃、玄関のドアがノックされる。
オレのクルマが残ってるのを見て、不思議に思ったシホが訪ねてきた。

「今日、お休みなの?」

「あ、ああ……。ちょっと、用事があってね。」

まさかお前を見張るため……、とは、口が裂けても言えん……。

いつもは、オレが先に出る。
シホの勤め先は、ここから車で10分くらいのところ。
割りと大きな病院の経理事務がシホの仕事。

清楚な白のフリルブラウスに、社会人らしく、こげ茶のティアードスカート。
スカートの丈は膝上くらいまでしかなくて、めちゃめちゃ可愛らしい。
仕事用に纏めているのか、軽く髪をアップしてる。
淡いルージュに濡れ光るぷっくらとした唇が、やたらといやらしく目に映ってならない。

「そう……じゃあ、行ってくるね。」

手を振って玄関を出ようとしたところを、後ろから抱きしめた。
強引に振り返らせて、可憐な唇を奪いにかかる。
ほっそりとした顎を掴んで、有無を言わせず、唇を重ねていった。
シホは、小さく呻きながらも、抵抗はしなかった。
腕の中に包み込む華奢な身体。
折れるほどに抱きしめた。
シホは、顔を上向かせ、されるがまま。
舌を入れていくと、素直に絡めてくる。
互いの舌を探るように絡め合った。
唾液をやりとりするほどの濃密なキス。
いやらしく尻を撫でると、シホがたまらないと言わんばかりに、荒い息を吐く。
スカートの中に手を入れてようとしたところで、やっと、シホが軽く胸を押してきた。

「だめ……。」

わずかに頬を赤らめて俯くシホのなんと可愛らしいこと……。
にもかかわらず、ヤロウは寝たまんま。
じゃなかったら、シホの手を引いて、そのまま寝室に連れ込むところだった。
シホは、つぶらな瞳で、じっとオレを見上げていた。
ひどく、あどけない顔。
静かに抱きついてきて、愛しいものを愛でるように、オレの厚い胸板に、何度も頬ずりを繰り返す……。

「口紅がとれちゃった……。」

シホが悪戯っぽい笑みを見せる。
オレもちょっと苦笑い。

「じゃあ、行ってきます。」

明るく手を振って、シホは、お出かけ。
軽のエンジン音が遠のくまで、オレは玄関に立っていた。

ヤロウは、素知らぬ顔で知らんぷり。

…………………………………。

おーい、お前、起きろぉ……。


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