孤独な王様-9
タカコは、自分の名前がそんなに好きじゃなかった。
今どき「子」が付く名前なんて、そんなにすてきじゃない。
学校に行くと、アイとかマナとか、可愛らしい名前の女の子がたくさんいる。
「とても格好良くて、すてきな男の子だったのよ……。」
ママに、どうして『タカコ』なんて名前にしたの?と、少しふくれた顔で聞いてみたら、ママは、そう言って教えてくれた。
やっぱり、男の子の名前なんてすてきじゃない。
でも、男の子を思い出しているときのママの顔はすごくすてきだった。
とても、懐かしそうに目を細めていた。
そして、胸がドキドキするくらい瞳が輝いていた。
ママが、その人を好きだったんだってことは、タカコにもわかった。
ママが好きだった人の名前。
どうして、結婚しなかったんだろう?
たぶん、好きだったけど結婚できなかった。
大人には、いろんな事情がある。
それくらい、タカコにだってわかる。
そんなに好きな名前じゃなかったけど、大好きなママが、好きだった人の名前だと知って、タカコは、自分の名前がほんの少しだけ、好きになった……。
母がタカコの膝を割った。
黒い棒の付いたベルトを、腰に巻いていた。
母は、タカコのアソコにその黒い棒をあてがった。
なにも言わず、当たり前のように、いきなりタカコの中に押し込んできた。
「気持ちいいでしょ!?気持ちいいでしょ!?」
母は狂ったみたいに、腰を振っていた。
「気持ちいいよ!ママ!」
タカコは、叫び続けた。
大好きだったママは、狂った。
必至になってタカコを犯していた。
狂った母の目を見ていたら、自分も狂っているような気がしてならなかった。
それに本当に気持ちよかった。
たとえようもないほど気持ちがよくて仕方なかった。
母とふたりで、男たちの精液を身体中に浴びた。
母がそうするように、タカコは舌を伸ばして、夢中になって欲しがった。
お腹も減っていた。
だから、口にできるものならば、タカコには、何でも良かった……。