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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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GO!コトリ!-3




「タカ、早く!試合時間に、遅れちゃうよ!」

コトリは、勇んで駆けていく。

覚悟を決めたコトリに、憂いはない。

翼をよみがえらせた天使は、翔ぶように階段を舞い降りる。

待てコトリ!!お前と違って、こっちは、すぐに動けねぇんだよ!

お前、少しは濡れたのか?……。




ついにやってきました決勝戦!

おーおー、いい面構えだこと。
ヘッドギアの奥から、鋭い眼光がコトリを睨みつけていた。

「大丈夫かしら?」

オレの後ろで、シホさんが不安げな声を出す。
あんた、どこ行ってたの?

「何かアドバイスは、したのか?」

ここまで、精彩のなかった試合運びに、ジイ様もやはり不安らしい。

「大丈夫ですよ館長。アイツの目、見てくださいよ。」

コトリはコトリで、今にも飛びかからんばかりの凄まじい目つきで、相手を睨みつけていた。

「ほっ、何か吹っ切ったみたいだの……。タカ、何か言ったのか?」

「いいえ、何も。」

そんなもん必要ない。

オレ達の絆をナメんなよ!

オレ達は、言葉なんか交わさなくたって、強い絆で結ばれてるんだ!

オレ達の繋がりは、誰にも断ち切ることなんて、できやしない!

さらにダイレクトに繋がろうとまでしてんだぜ!!!

さすがにそれは、顔には出さんかったけど……。



粛々と3人の審判が試合場に入ってくる。
いよいよ最後の試合が始まる。
ふたりが、正面を向いた。
まず、神前に対する礼。
礼を終えて、互いが向き合う。
コトリが、深く頭を下げる。
相手も、背筋を伸ばして、深々と頭を下げた。

やばい……。

去年、アイツは軽く頭を下げただけだった。
見くびっていたからだ。
今年は、コトリに対する意気込みが違う。
相手に礼を尽くす。
それは、自身の覚悟を表している。
コトリ、油断すんなよ……。
アイツは、何か狙ってるぞ……。

副審が、それぞれの位置に散っていく。
主審の手が、水平に挙げられた。
コトリが、右に構える。
相手も右……。

なにぃっ!!!!
左に構えてやがる!!
お前!今までずっと右構えだったろうが!!!

対コトリ戦に備えて、サウスポーに切り替えたのだ。
待て!待て!いきなりナニしてくれてやがる!!
コトリは、相手がサウスポーだと、メチャクチャ分が悪い。
単純な足し算引き算だ。
肩の位置が同じなら、互いに打ち合えば、リーチの長い方が先に届く。
大柄で手足の長い向こうは、圧倒的に有利になる。
それに、サウスポー相手だと、コトリは、相手の回し蹴りを背後に受ける形になってしまう。
ヘタをすれば、後頭部を直撃する。
有効打にはならない。
しかし、反則にもならない。
ヘッドギアは、後頭部を守ってない。
一瞬で、意識を断ち切られる可能性だってある…………。

「始めっ!!」

試合が始まってしまった。
やられた……。

「どうします!?」

他の指導員も、顔色を失っていた。
いかにコトリが不利な状況に追い込まれたか、わかっているからだ。
ふたりは、対峙しながら、円を描くように、ジリジリと間合いを詰めていた。
一瞬にして、相手を斬り捨てようと、どちらも、虎視眈々と狙っている。

えーい!!!オレが、浮き足だってどうする!!!
もう、試合は始まったのだ。
今さらどうすることもできない。

子供の試合は、通常、乱打戦だ。
手数勝負の泥仕合になることが多い。
だが、ふたりは、じっと対峙したまま、なかなか動かない。
待っているのだ。
自分の間合いに、相手が入ってくるのを……。
コトリも相当のセンスを持っているが、コイツも侮れない。
さすがに、将来を期待されるだけのことはありやがる。

相手が、半歩摺り足で、にじり寄った。
先に動いたのは、コトリだった。
待っていたかのように、コトリの身体が跳躍する。
一瞬にして、その場から姿が消える。
体勢を低くして、猛然と突っ込んでいった。
右足を前に突き出した。

突き蹴りだ!
アイツ考えやがった!
突き蹴りなら、リーチの短さをカバーできる!

コトリの右足が、相手の腹めがけて、まっすぐに伸びていく。
何も倒す必要はない。
相手を圧倒するに足りる有効打が、一本でも決まれば、そこで勝負は決まる!
勢いは、あった。
入った!
そう思った刹那、コトリの身体が大きく右にブレた。
相手が、上半身をひねっていた。
右の回し蹴りを放ったのだ。
一瞬にしてコトリの身体が持って行かれる。
コトリはっ!?
コトリは、しっかりと体勢を整えていた。
瞬時に、視界に飛び込んできた足を、腕でブロックしたらしい。
ダメージは……なさそうだ。
コトリは、足がヒットした瞬間に、軸足を跳ばしたのだろう。
でなければ、たとえブロックしたところで、今頃床の上に転がっている。
並外れた運動神経。
しかし、相手の破壊力も並じゃない。
会場から、どよめきが消える。
みんな、わかってきたのだ。
勝負は、一瞬で決まる。
その一瞬を見逃すまいと、周囲の視線がふたりに集中していく。

「どうしよう…………」

シホが、不安げな声を出した。
すがるようにオレの腕を掴んでくる。

大丈夫。あの子は、あんたが思ってるほど、ヤワじゃない。
オレは信じてる。
アイツは絶対に勝って、帰ってくる……。



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