密かな願い-2
痛っ!
なんか踏んだ!
暗くてわかんね!。
なんで、こんなにゴチャゴチャしてんのさ?
少しは、整頓くらいしたら?
同じ造りの8畳間。
引き戸の向きも同じなら、窓の位置も同じ。
壁紙の模様から蛍光灯の形まで、まるっきり一緒の見慣れた部屋。
違うのは、オレの部屋と違って、いい匂いがすること。
甘い匂いが、部屋の中に満ちていた。
なんか、クラクラするね。
さすがに女の部屋らしく華やかに飾られているが、意外とゴチャゴチャしていて、小物や凝ったインテリアなどが、足の踏み場もないほどに置かれている。
ひとり寝であるはずなのに、ベッドはセミダブルと意外と大きく、部屋のほとんどを占めていて、立って歩けるスペースは、わずかしかなかった。
このアパートは、押し入れが比較的大きなクローゼットになっていて、そこに衣類や細々としたものを収められるから、タンスなどは見あたらない。
それでも、服の少ないオレとは違って、壁やハンガースタンドに、入りきらない洋服があふれていた。
部屋の隅には、色とりどりの下着が干されている。
童女を思わせるあどけない顔をしているくせに、意外にも下着は派手だった。
誠実さを思わせる白よりも、黒や赤が目立って、中には紫なんてのもあった。
ほの暗い灯りの下で、シホはオレの腕の中。
つぶらな瞳が、オレを見上げている。
「はしたない、って思う?」
別にいいんじゃないッスか?
人それぞれでしょ。
パジャマの隙間から、小振りな乳房を手のひらにすくい取る。
ブラをずらして、握りしめると、指を押し返すだけの豊かな弾力があった。
「こんな事するの、初めてなのよ……。」
ふーん。
そういうことにしときましょ。
あなたで何人目よって、言われるよりはマシ。
パジャマの前を開いて、可愛らしい乳房を露わにした。
シホが、恥ずかしさを隠すように、両手で顔を覆っていく。
迫力はないが、きれいなお椀型に膨らんだ形のいい乳房だった。
横になっても潰れないだけの張りがある。
円を描くように、指で乳房をなぞっていくと、シホは細い声を出して小さく身体を震わせた。
乳首をつまむと、「あっ!」と、悲鳴にも似た声を上げ、大げさに身体を跳ねらせる。
感度は、良さそうね♪
「……コトリには……内緒にして。お願いだから……言わないで……。」
荒い息を吐きながら、シホが訴えた。
そりゃ、無理だ。
いずれは、わかる、ってか、バレる。
じゃないと、親子丼出来ないじゃん!
指の腹で扱いていた乳首が、あっという間に堅くなり、虐めたい衝動に駆られて、口に含んで、歯を立てた。
コトリによく似た顔。
違うのは、輪郭の大きさぐらい。
シホは、手のひらを口に当て、必至に声を殺そうとする。
となりの部屋には、コトリちゃん。
距離はほんのわずか。
「虐めないで……お願いだから……、虐めないで……。」
今にも泣き出しそうな声。
歯で噛んで、引っ張りつづけた。
聞こえてもかまわない。
知られたところで恐れることは、何もない。
いずれあの子も、お前と同じような声で泣くことになる。
必ずそうしてみせる。
それが、ほんの少し早まるだけ……。
入るか、どうかは知らんけど……。
ひどく気持ちが高ぶって攻撃的になっていた。
どうやって虐めてやるか、そればかりを考えた。
腕の中にいるのは、コトリちゃんを産んだ女。
この女が、あの愛らしい天使をこの世に生み出した。
もうすぐ俺のモノになる。
あの子が通ってきた道を、俺のモノで埋め尽くすことになる。
たまらなく神聖なものを汚しているような気がしてならなかった。
母親と娘。
二人を同時に犯していく妄想が、次から次へと頭の中に広がっていく。
この魔力に勝てる男は、まず、いない……。
中には、いるのかも知らんけど……。