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催眠権売買
【SF 官能小説】

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たいいくようぐしつ-1

トラックの音。
人の声。
近くでスポーツしてる声。
眠い……
でもここは私の部屋ではない。
目をゆっくり開けた。
マットレスにうつ伏せに寝ている。
首を横に向くと跳び箱があり、ここは体育用具室だと分かった。
部屋にある小さな窓からは赤い空が見える。
夕方のようだ。
跳び箱の上にはスカートがかかっていて、
あれは、私のだろうか?
よく見れば床にも制服が落ちているし、見える肩は服を着ていなかった。
さらに全身痛いし、胸や股は特に痛い。
嫌な予感しかしない。
見えない方の手を動かし、何も着けていない自分の股を触ると、
ヌルヌルとした液体が溢れている。
「なに、これ?」
なにかとんでもない事になっている。
痛みでおかしいのか、この状況なのに発狂しないのは不思議だった。
でも立ち上がって自分を見る勇気はない。
誰にされたのだろうか?
どうしてここにいるのだろうか?
何も思い出せない。
衝撃が強すぎて記憶が無いとは、この事だろうか?
「初めてだったのに……」
もし男の人と付き合って、膜が無かったらなんて言い訳すればいいのかな?
その時は正直話すべきだろうか?
汚れた私を愛してくれるのか、悲しくなってきた。
ブピ、ブピピピピ
あそこから変な音がなる。
「悲しいのに最低だよ」
この状況は警察に言った方がいいのか?
でも警察は嫌な事を聞いてくると言うし、
そもそも誰にされたか分からないんじゃ取り合ってくれなさそう。
誰にも言わない方がいいのかも、忘れたいし。
それに犯された記憶が無いことが救いだと思う。
泣き寝入りする女の気持ちが分かった。
ドン!
突然用具室の壁に何かが当たった。
遠くから駆け足する音が近づいてくる。
ヤバイ人が来る、私の姿が見られる。隠れなきゃ。
手足を動かし、立ち上がろうと思うが、どうやって立ち上がればいいのか忘れてしまった。
いつもどうやって起きてるんだっけ?
ヤバイ足音が近づいてくる。
焦れば焦るほど起き方が分からなくなる。
足音がすぐそばまで来て、草を踏んで近づき止まった。
心臓がバクバクしてる。
入って来ないでお願いと祈った。
すると足音は「あった! おーい投げるぞ〜 おりゃ!」と男の声
「ごめん外れたぁ」と言いながら再び足音は遠のいていった。
ふぅ〜危なかった。
しかし部活が終われば必ず人が来る。
制服着てここから離れなきゃ。
起き上がろうとすると出来ない、
おかしい、さっきよりは冷静になってるはず、起き上がれない事はない。
何かに繋がれているわけでもなく、
手足は動くのに体がマットから離れない。
せめて、目の前の制服だけも取って隠さなきゃ。
そう思い手を伸ばして掴んでも、手から制服が外れてしまう。
「どうなってんのこれ?」
頭でも打ったのかな。
必死に力が入らない指で制服を手繰り寄せていると、
とうとう新しい足音が近づいてきた。
「ヤバイ部活終わったんだ、どうしよう」
足をつねると痛いぐらい力が入るのに、制服に手を出すと力が出ない。
足音は一直線にこちらに向かってきて、ドアの前で止まった。
「入って来ないで」と足元にあるドアに必死に叫んだ。
すると、ドアをノックしてから、その人は声をかけてきた。
「若月?」
声で分かった浩二だ。助かった。
「浩二、そのまま入って来ないで聞いて、私裸なの」
「え?良く聞こえないよ、なんでこんな所にいるんだよ」
ドアを回す音
「ちょっと待ってって開けちゃダメ」
後ろから外明かりが入ってきた。
「おわ! なんだよこれ! 若月なのか?」
見られたー
「うん、浩二ごめん、起きられないの」
「これどうなってんだよ、大丈夫か若月」
室内灯が点けられてから、浩二が駆け寄る。
「はずかしいから明かり消してくれる?」
「若月、大丈夫か立てないのか?」
浩二は私を仰向けにして起こしてくれたが、
だらしなく足が広がり、手は完全に動かなくなり両手がだらりと垂れた。
「うっそ、手が動かない」最悪だわ、丸見えじゃない、
友達の浩二だから少しはよかったけど、
「誰にやられたんだよ?」
「それが分からないの……」
浩二を見たら、私の胸を見ていた。
「浩二、はずかしいから制服取ってくれる?」と聞くと
「乳首から血が出てるぞ」と胸を掴んだ。
「え?」心配して触ったんだよね。
「可哀想に、ほかにも傷ついてるかもしれないぞ」
心配している声の割には、顔が興奮している。
「浩二、先に制服とって」
「ああ、そうだな、その前に」
浩二は自分のポケットから紙を取出し、
それ読み上げる。
でも、その声は聞こえない。
浩二の動いている口から目が離せなくなる。
こんな光景を何度か見たことがある。
でも、思い出せない、それに
声が気持ちいい。




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