木曜日 3-3
タクミはりさが出ていった後に
大きくため息をついてCD を拾う。
ヒビの入ったCDを拾うと、それを見つめながらベッドにドサッと座る。
そして、考える。
りさちゃんの事 好きだけど、
俺が他の女と口聞くだけで
りさちゃん、苦しむなら、、
別れるしか ないのかな。
俺だって ちゃんと、
好きなのに。
なんで
ああいう風に、 、、
感情的に なるんだよ。
女は 皆 そうなのか ?
自分の母親を思い出す。
小さい頃、母親は男と何かある度に、
家の物を投げて泣き出していた。
小さい頃は、それがただ怖かった。
タクミが中学生になっても、
母親は変わらなかった。
変わったのは、タクミの方だった。
ある日、ふと気がつく。
泣いて物を投げる母親を見て、
冷静に、こう思う。
悪い人間じゃない。
ただ 少し
頭が 悪いだけ か 。
そう気がついても母親を、
特に嫌いにはならなかった。
ただ、哀れに思えた。
りさと喧嘩をした2日後、
タクミはりさに別れを告げた。
別れた後、りさは、よりを戻そう、タクミの事を許すから、と、言ってきた。
タクミはそれを断った。
過去に、付き合った女が
感情的になればなるほど、
タクミは冷静になっていった。
どうすれば、
相手に冷静になってもらい、
お互い、よりよく付き合っていけるか。
分かってもらう為に、まず自分が、
冷静になる。
そんな事が、度々あった。
再び、ちづるの寝顔を眺める。
「、 、 、、 、。」
なんか懐かしい事、
思い出しちゃった。
「、 、 、、ぁ 」
そうだ 俺
付き合う女とか 親に
穏やかさを 求めてた 。
ちづちゃんは
穏やかな人 だよな。
常に
穏やかに過ごそうとしてるのに。
俺は なんで
それを感じると
壊したく なるんだろう。
傷つけたく なるんだろう。
ちづちゃん、分かってるかな。
俺が、ちづちゃん傷つけて
俺が、その傷、舐めてるだけって。
そんで、その事 少しも
後悔してないんだよね。
「病んでるのかなぁ? 俺 。
んーー ? 」
タクミは指で、ちづるのほっぺを撫でて、しばらく寝顔を見つめていた。
そのままウトウトしてきて
タクミも眠った。