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BLOOD LINE
【女性向け 官能小説】

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1-1

 夏休みが始まって間もなくのことだった。
中高生はこぞって解放的な気持ちになり、これから始まる長い休みに誰もがわくわくしている7月の下旬事件は起きた。
深夜、横須賀市内の交番に若い女性が助けを求めて駆け込んだ。話を聞けば地元の14歳の少女った。繁華街で親しくなったアメリカ人男性と映画に行く約束をしていたが、映画には行かず車で連れまわされた後、深夜になって車内でレイプされたと言うものだった。


「アメリカ兵か」
富岡亨はそう言うと頭の後ろで手を組み、煤けた天井を睨んだ。
「で、その男は?」
富岡がうんざりした顔で尋ねると、編集長はノートパソコンから顔をちらりと上げ、これまたうんざりした顔で答えた。
「お察しの通りだよ」
容疑者の米兵、スティーブ・ジョンソンは少女をその場に残し基地内へ逃げ帰り、日本の警察が手を出せない状況になった。
日米地位協定である。
「言い分がいいじゃねぇか。”少女は18歳だと言っていた。セックスは合意の上だったにも関わらず、事後に金銭の要求があり、話しが違うと言い合いになりけんか別れしたに過ぎない”だとよ」
そう言うと編集長はぬるくなったペットボトルを口にした。老朽化したビルのエアコンは効きが悪い。
「妥当な言い訳ですね。合意の上はレイプ事件の枕詞みたいなもんだ」
富岡はそう言うと体勢を戻し、資料に目を落とした。
「14歳が外国人と映画の約束ねぇ。場所柄とでも言うのかな」
「またその娘の立場が悪いんだよ。それ読んだか?」
「読みました」
被害者の14歳少女は不登校で、家出は数知れず。最近では2、3日家に帰らなくても家族は「いつものこと」と心配すらしないのだと言う。小学6年生の頃にもレイプされたと交番に駆け込み、相手の男(当時28歳の会社員)は逮捕されたものの少女は女子高生だと言っており、初めから金銭のやり取り(3万円)も約束した上での性行為だったと証言。少女が現金を受け取った証拠も出て来て、強姦事件にはならなかった。(未成年に対する淫行で逮捕)
「末恐ろしいですねぇ」
「そんなフーテン娘だからな、アメリカさんの思うツボだよ」



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