〈汚れなき食材〉-4
『可愛い〜……亜季ちゃんの乳首、小さくて綺麗なピンクなんだねえ〜?』
「ふぎ…んぐッ…お、お姉…ちゃん……いやだよぉ……ッ」
長髪男はブラジャーの布地を胸元に押し付け、飛び出さざるを得ないでいる亜季の果実を凝視した。
なんの膨らみもないペタンとした乳輪は思いの外に小さく、それ故にピンと膨れて飛び出した乳首が大きめに見える。
異性など惹き付けようもない幼すぎる胸肉……しかし、ここに居る鬼畜な変態オヤジには、まさに“初物の馳走”である。
「い…やだ…ッ…やだッ…やだ…ッ」
いよいよ亜季は“胸”を曝されて、曾てないほどの嫌悪感と羞恥心に襲われだした。
オヤジ達の瞳は血走って赤みを点し、それは亜季から見ても理性を失った変質者の目だと分かるくらい、狂気を孕んだものだったからだ。
『今度は「やだ」だとよお。オマエ騙されてんじゃねえか?コイツは大人に平気で嘘つく、ただのクソガキなんじゃねえかあ?』
『違うよ。亜季ちゃんの「やだ」は「やめちゃやだ」って意味なんだよ……そうだよねえ、亜季ちゃ〜ん?』
「んぎッ!?ひ…やめッ…やめちゃ…ヒック!…やめちゃやだ……ヒック!」
美少女……とはいってもまだ12才である。
まだまだ子供である。
その子供の胸をまさぐっては弄び、破廉恥な言葉を浴びせて恥態を強要するとは正真正銘の変態である。
その変態オヤジ達に玩具にされ、恥ずかしすぎる悪戯の標的にされてしまっている亜季の心は激しく痛み、狼狽えと恐怖心に比例して荒れていく呼吸に合わせ、ズキズキと幼い心身を痛めつけた。
『クククッ…亜季ちゃんの可愛いオッパイ、お兄ちゃんペロペロしたいなあ〜?ンクククッ…痛くしないよ?痛くしないから……』
長髪男は天井のカメラを見上げると、如何にも変態に見えるように、白目を剥いてニヤリと笑い、舌をベロベロと回した。
たった一人で放置され、誰も居ない部屋で叫んでいるであろう愛の、その何処にも届かない怒りを嘲笑っているのだ。
少女の真っ直ぐで単純明解な清らかな想いなど、妹を助けたいと思う姉の正義など、全くの無意味なのだと思い知らせてやりたいのだ。