歪曲-7
「ミナ……きれいだね……」
チカが、驚くように目を丸くしながら見つめていた。
ミナは慌てて背中を丸めると、両手を前で重ねて胸を隠した。
まったく膨らんでいない自分の胸が、恥ずかしくてならなかった。
「恥ずかしがることないよ」
チカは、おかしそうに笑っていた。
「ここに横になりな」
チカがベッドの真ん中を指さした。
いわれた通り、ミナはそこにお尻をずらすと、恐る恐る身体を後ろに倒していった。
チカがミナの足下にまわった。
足首をつかまれた。
「恥ずかしくないよ。見るだけだから」
脚を持ち上げて、足首をつかんだ両手を左右に開いていった。
「やだ、チカちゃん……見ないで……」
あっという間に、股間をさらけ出す形で、両脚を左右に大きく拡げられてしまった。
恥ずかしさに耐えかねて、なんとか膝を閉じようとしても、チカの力は思った以上に強くて動かない。
「かわいいね、ミナ……」
股間の中心を見つめて、チカがくすりと笑った。
ミナに似合って、可愛らしい性器だった。
縦に割れた長さが短くて、自己主張しないミナのように遠慮がちな大きさでしかない。
肉ヒダなどは、まだ、はみ出してらず、つるつるの刃物で切ったような割れ目があるだけで、その頂点付近に位置する小さなツブだけが、チカよりも大きく成長しているように思えた。
チカは、ゆっくりと顔を近づけていった。
「やだ、チカちゃん、やだ……」
足首は、握られたままだった。
チカは、閉じることができないように、ミナの脚のあいだに身体を入れてしまった。
「触るよ……」
見るだけといったはずなのに、すぐに触れてきた。
「や……」
指で肉厚の陰門を左右にめくられ、なかを覗かれる。
恥ずかしさに涙がにじみ出した。
「すごく、きれい……」
チカが、嘆息したような声を出した。
あきれるほどきれいな肉壁をみせるミナの膣だった。
しばらく眺めてから、チカは自分の指を舐めて濡らした。
「入れるけど暴れちゃダメだよ。処女膜なくなるからね」
「え?」
確かめる暇もなかった。
すぐに冷たい指が膣のなかへと潜り込んできた。
「や、やめて!チカちゃん、やめて!」
「おとなしくしてな!ほんとに処女膜破れるよ!あんたの好きなお兄ちゃんにあげられなくなるよ!」
恫喝されて、ミナは、すぐにおとなしくなった。
チカが怖かったわけじゃない。
タケルにあげられなくなると聞いて、思わず躊躇ったのだ。
「そうだよミナ、おとなしくしてるんだ」
諭すような声だった。
指がゆっくりと潜り込んできた。
「や、やめてチカちゃん、やめて……」
怖さに身体が震える。
ミナの懇願にもチカの指は止まらない。
「大丈夫だよ。タンポンより細いんだから。これくらいで処女膜なんて破れないから、安心しな」
安心しろといわれたところで、怖すぎて冷静でなんかいられない。
ある程度入れたら、チカの指が、ゆっくりとゆっくりと動き出した。
前後するような動きだった。
ときおり探るように、指がなかで、ぐるりと回る。
下腹部に、鈍い痛みがあった。
しかし、痛みだけでないむず痒さも、わずかにあった。
ミナは、混乱した。
「いや、いや、チカちゃん、やめて……」
怖さに固く目を閉じていた。
ギュッ、とシーツを握りしめ、混乱しているのを訴えるように首を左右に振っている。
股のあいだで、チカがじっと一点を見つめながら、指を動かしつづけている。
チカは少しずつ指を深く入れていった。
「う……は……」
ミナの唇が開いて、吐息が漏れた。
まだ華のない呻きだが、かすかに声の質が濡れている。
「ミナ、心配することないよ……。あたしは、女も慣れてるから」
何をいっているのか、わからなかった。
「な、慣れてるって……」
絞り出すような声でミナは訊ねた。
「こんなことするのは、ミナだけじゃないってこと」
「そ、それは……」
「わたしは、うちに来る女の子を慣らすのも役目なんだ」
役目?
なに、それ……。
「わ、わかんない……」
ますます混乱した。
チカが何をいおうとしているのか、まるで見当もつかない。
「そっか、2冊目、見なかったもんね」
アルバムのことをいっているのは、何となくわかった。
「な、なに?……なんなの……」
チカは、それには答えず、ミナの膝を手で押した。
ミナの脚が、あられもなく拡げられる。
チカの指がさらに奥深くに入ってくるのがわかる。
鈍い痛みはつづいていた。
だが、痛みではない何かも、ミナの体内で拡がりつつあった。